負担急増で成長 木村沙織「腹をくくってやる」

[ 2010年11月8日 16:11 ]

コスタリカ戦でスパイクを決める木村沙織

 バレーボールの女子世界選手権で日本が快進撃を続けている。1982年以来7大会ぶりの4強入りを射程にとらえるチームの中心に座るのがアテネ、北京両五輪代表の木村沙織(東レ)だ。8日現在145得点は全選手中2位。広角なスパイクを身に付け飛躍し、真鍋政義監督は「昨年よりはるかにいい」と語る。

 ことしはレフトから右へ、角度のないクロススパイクをさばけるようになった。柔らかい肩の使い方を要求される難度の高い技術で、木村はこれを「体の向きがネットに正対した状態でできる」(川北元コーチ)。相手ブロックは打つ方向を予測できず、的を絞りにくくなるわけだ。
 プレミアリーグの東レは一昨季までは絶対的な外国人エースがいたが、昨季は木村が大黒柱となり「苦しいトスを多く打って打ち分ける感覚がつかめた」という。代表でも栗原恵(パイオニア)の故障で木村の負担が急増。こうした立場の変化が成長を促した。
 のんびり屋に映るが、セッター竹下佳江(JT)は「沙織はああ見えてきついところがある」と明かす。サーブレシーブの中心も担い、竹下がスパイクを拾えば代わりにトスも上げる。昨年から主要国際大会で全セット出場のエースは「自分の出来でチームの結果が左右される。腹をくくってやる」と覚悟を決めている。

続きを表示

2010年11月8日のニュース