マンデー予選突破の小山内 プレーオフ制しV

[ 2010年7月26日 06:00 ]

<セガサミーカップゴルフ 最終日>長嶋茂雄大会名誉会長(右)と握手を交わす小山内護

 スポニチ後援男子ゴルフツアー長嶋茂雄招待セガサミー・カップ最終日は25日、北海道千歳市のザ・ノースカントリーGC(7115ヤード、パー72)で行われ、不惑の飛ばし屋・小山内護(40=フリー)が、マンデー予選を突破して迎えた今季初戦で逆転優勝を果たした。首位に3打差の4位で出た小山内は69をマークし、通算13アンダーで趙ミンギュ(21=韓国)、薗田峻輔(20=フリー)とトップに並んだ。プレーオフ4ホール目でパーをセーブし、06年のアコムインターナショナル以来のツアー通算4勝目を挙げた。マンデー予選からの優勝は04年ABCの井上信以来5人目となった。

【最終R成績


 70センチのパーパットに全神経を注いだ。プレーオフ4ホール目。薗田が2ホール目に脱落し、趙ミンギュは1・5メートルのパーパットを外していた。決めれば優勝。ボールがカップに消えるのを見届けると、小山内は両手を突き上げて喜びを爆発させた。

 「信じられませんよ。今年初戦ですからね。お金が稼げる場所があるありがたさが分かりました。1円でもという気持ちでした」。ヒゲがトレードマークの40歳は優勝スピーチで涙を流した。

 ツアーきっての飛ばし屋として知られていたが、昨年は左ひじ痛に苦しみ11年連続で守っていたシード権を失った。今大会はマンデーと呼ばれる予選会を突破し、出場権を獲得。3打差の4位で発進した最終日はボギー無しの69でプレーオフに持ちこみ、4ホールに及ぶ死闘を戦い抜いた。

 今季これまでは下部ツアー中心の生活。「(試合が少なく)家でひきこもりだった」。試合がない時は、自宅で韓国の歴史ドラマを見ながら過ごす時間が多くなった。師匠のジャンボ尾崎の家で見始めて以降、DVDを借りては観賞する毎日。「違う仕事をしようかな」と一時は転職すら考えた。

 だが、ジョギングとパット練習だけは欠かさなかった。自宅にマットを敷き、2メートルのパットを何度も繰り返した。「年齢の数だけ連続して入れる。外したらまた最初から」。プレーオフ3ホール目は趙ミンギュに先にバーディーを奪われたが、重圧の中で2メートルのバーディーパットを入れ返し練習の成果を見せた。

 この勝利で今季の残り全試合と、12年までのシード権を得た。新たな目標を聞かれると「米ツアーの予選会に挑戦したい」と話す一方で「打倒、遼くんですね。負けたくない」と飛ばし屋のプライドをのぞかせていた。

 ◆小山内 護(おさない・まもる)1970年(昭45)6月19日、東京都生まれの40歳。日体荏原入学後ゴルフを始め96年プロテスト合格。98年サントリーオープンでツアー初V。99年日本マッチプレー、06年アコムで優勝。師匠は尾崎将司。04年から3年連続で平均飛距離1位(306・82、302・99、299・46ヤード)。1メートル77、85キロ。

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2010年7月26日のニュース