カーワン日本 アジアV3でW杯決めた!

[ 2010年5月23日 06:00 ]

<日本・香港>2011年NZ・W杯出場を決めた日本代表フィフティーンは、サポーターと気勢を上げる

 ジョン・カーワン・ヘッドコーチ(45)率いる日本代表が7大会連続7度目のW杯出場を決めた。ラグビーアジア5カ国対抗は22日、秩父宮ラグビー場で行われ、日本は香港に14トライを浴びせて94―5と圧勝し、4戦全勝。前半途中に4トライ目を挙げボーナスポイントの勝ち点1を得た時点で大会3連覇が決まり、来年ニュージーランドで開催される第7回W杯の出場権を獲得した。本大会では“世界一速いラグビー”で91年の第2回大会以来となる勝利はもちろん、初の決勝トーナメント進出を狙う。

 テンポの速いラグビーで、桜の戦士が次々にトライを重ねた。「今大会一番のパフォーマンス。ハッピーです。選手は80分間集中し、ジャパンスタイルを出してくれた」。カーワン・ヘッドコーチが満足そうに笑う。前半18分、WTB遠藤がチーム4トライ目を挙げた時点でW杯切符を獲得。香港戦の史上最多得点となる94点で7大会連続出場を飾った。

 日本でもプレーした元ニュージーランド代表WTBの指揮官はW杯へ向け、「10メートルのダッシュなら世界一」という日本人の敏しょう性と速いテンポを生かしたラグビーを追求してきた。セットプレーでは、選手がボールを持ってからプレー再開まで約10秒かかっていたのを短縮。練習を撮影したビデオをコマ送りで見せ、10コマかかったプレーを5コマで終えるよう徹底した。前半7分、FB立川のラインアウトでのクイックスローが起点となったCTB平のトライに、意識づけされた「速さ」が表れていた。

 カーワン・ヘッドは新渡戸稲造著「武士道」から「誠」や「仁」などの言葉を引用し、メンタル面でもチームを改革。「日本代表は世界のどのチームにも劣るとは思わない。自分を信じろ」と言い続けた。出場停止の菊谷主将に代わり、ゲーム主将を務めたロック大野は「JK(カーワンの愛称)の意識が浸透してきた。W杯は出場するものから勝つことに変わってきた」と胸を張った。

 カーワン・ヘッドの初年度だった07年W杯フランス大会は守りを整備するだけで精いっぱいだったが、攻撃パターンも増えてきた。「目指すラグビーの90%まで来ている。W杯でトンガとカナダに絶対に勝つ。ジャパンスタイルを出せればベスト8も不可能ではない」。ジャパンを率いて2度目のW杯となる指揮官は、母国開催の本大会で世界を驚かせるシナリオを頭に描いている。

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2010年5月23日のニュース