“元”朝青龍 高砂部屋の激励会で謝罪

[ 2010年3月7日 06:00 ]

大阪場所を前に行われた高砂部屋の激励会で壇上から挨拶し、手を振る元横綱・朝青龍

 2月4日に暴行問題の責任を取って引退した大相撲の元横綱・朝青龍(29、本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ)が6日夜、大阪市内で行われた高砂部屋の激励会に出席。濃紺のスーツ姿で登場した元朝青龍は約1300人の後援者らの前で引退を報告するとともに、初めて一連の問題について謝罪した。出席者から拍手で激励された朝青龍は10月3日に予定されている引退相撲への支援、協力も呼びかけた。

  注目の第一声は「皆さん、こんばんは。朝青龍です。元…」だった。大阪後援会員らへのあいさつは、この日予定されていなかった。開演から40分後の午後7時10分、司会者の「ステージにご注目ください」の声とともに、笑顔の朝青龍がさっそうと登場。会場は騒然となり、壇上の周辺には大勢の支持者が人垣をつくった。
 朝青龍は「大好きな大阪で皆様に会えて本当に幸せいっぱいです」とあいさつ。背筋を伸ばして姿勢を正すと「残念ながらわたし、優勝しながらいろんな騒ぎを起こして申し訳ないです」と一連の問題を初めて謝罪した。泥酔暴行問題の責任を取って引退を表明したのが2月4日。直後の引退会見でも謝罪の言葉はなかったが、ついに自らが招いた不祥事をわびた。
 服装は濃紺のスーツ姿にストライプのネクタイ。2月24日の来日時はポニーテールだったが、この日は髪を結って登場した。関係者によると、現役時代に大銀杏(いちょう)を結ってもらった元特等床山・床寿の日向端(ひなはた)隆寿さんに整えてもらったという。
 引退表明後は米ハワイ、ニューヨークを経て2月24日に再来日。その後は福岡などにも出向くなど、あいさつ回りに奔走した。壇上では「マスコミだけでなく、皆さんの支えがあって25回も優勝することができました」と感謝の意を表明した。
 「弱冠29歳。今年で30歳になります。第二の人生に向けて精いっぱい頑張っていきたい」と話すと、会場からは「頑張れ」と激励の声も飛んだ。これには「ありがとうございます」と答え、「本当に幸せだね」としみじみ。最後は「10月3日に東京で断髪式とパーティーを考えさせてもらいます。皆様の力をもう一度お借りしたいと思います。よろしくお願いします」と締め、右手を振って会場を後にした。昨年の同じ大阪での激励会では「来年はここにはいないかも」と意味深発言をした朝青龍だったが、ここまでの激動は予期していなかっただろう。
 ただ、自ら「最愛の地」と公言してきた大阪で“けじめ”をつけたこともあり、来週中にもモンゴルに帰国するプランが浮上。激励会に出席した複数の関係者も近日中の帰国を示唆したが、暴行問題に関して警視庁からの事情聴取はまだ受けていない。警察サイドへのアピールの意味もあって、この日になって謝罪した可能性もあるが、いずれにしてもまだまだ朝青龍の動向からは目が離せない。

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2010年3月7日のニュース