あのプロレスラーの親せき 棚橋が新弟子検査

[ 2010年3月7日 06:00 ]

身体検査をする棚橋

 大相撲春場所(14日初日、大阪府立体育会館)の新弟子検査が6日、大阪警察病院で行われ、人気プロレスラー、棚橋弘至(33=新日本)を遠縁に持つ棚橋弘貴(22=木瀬部屋)ら40人が体格基準(1メートル73、75キロ)をパス。身長が足りなかった4人が不合格となった。1メートル86、体重189キロをマークした棚橋はスポーツ万能型の巨漢として注目を集めそうだ。なお、正式な合否は内臓検査の結果を経て14日に発表される。

 愛嬌(あいきょう)のある表情と迫力十分の肉体。次代の関取候補生がプロとしての第一歩をしるした検査会場で、その存在感は際だっていた。丸刈り頭の棚橋が緊張しながら体重計に乗った瞬間、目盛りを凝視した不知火親方(元関脇・青葉城)がうなった。この日受検した44人の中では最も重い189キロ。付き添った兄弟子から「189キロもあるのか…」と絶句されると、棚橋は屈託のない笑みを浮かべた。
 相撲は小学校1年から始めた。地元の相撲クラブにも所属し、6年で体重が100キロ。将来の角界入りを約束される成長を見せていたが、その一方で水泳でも岐阜県の強化指定に選ばれていた。「得意はクロールとバタフライ」。自慢げに語るその姿からは、当時の雄姿は想像もつかないが「今でも1キロは泳げる」と豪語する。他にも少年野球のチームにも所属するなど、スポーツ万能少年だった。
 高校進学後は相撲に専念し、朝日大では団体のインカレベスト8入りにも貢献した。だが、環境に溶け込めず2年で退部した。一時は刑務官を目指していたが、昨年夏に転機が訪れた。大学の先輩でもある徳真鵬が昨年の名古屋場所で十両昇進を決めた。その姿を見て「自分もプロで挑戦してみたい」と一念発起。両親には反対されたというが、先輩と同じ木瀬部屋の門を叩いた。
 父方の遠い親せきには人気プロレスラー、棚橋弘至がおり、潜在能力の高さは折り紙付き?棚橋自身も「自分も負けないように頑張りたい」と抱負を語った。角界の“動ける巨漢”山本山とは過去に1度対戦して腕をきめられて完敗。そのリベンジマッチが楽しみになってきた。

 ◆棚橋 弘貴(たなはし・ひろき)1987年(昭62)7月14日、岐阜市生まれの22歳。小学1年から相撲を始めたが、水泳も得意で県の強化指定選手になった。相撲では市岐阜商時代には東海大会で無差別級2位。朝日大に進学し、インカレで団体戦8強入りに貢献したが、2年で退部した。家族は両親と姉。血液型B。趣味は寝ること。好きなタレントは磯山さやか。

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2010年3月7日のニュース