遼くん 単独2位で持ち越しも賞金王に王手!

[ 2009年11月30日 06:00 ]

<男子ゴルフ カシオワールドOP最終日>石川遼は単独2位でホールアウトしギャラリースタンドにボールを投げ入れる

 石川遼(18=パナソニック)の史上最年少賞金王は最終戦に持ち越しとなった。男子ゴルフツアーのカシオ・ワールドオープン最終日は29日、高知県安芸郡のKochi黒潮カントリークラブ(7300ヤード、パー72)で行われ、6バーディー、2ボギーの68で回り、通算18アンダーまでスコアを伸ばしたが、大会連覇を果たした小田孔明(31=フリー)に3打及ばず単独2位に終わった。ラウンド中にはギャラリーがカートにひかれる事故が発生する中、それでも賞金王へ大きく前進。今季最終戦となる日本シリーズJTカップ(12月3日開幕、東京よみうりCC)で賞金王争いに決着をつける。

 賞金王に一瞬、手が届きかけた。だからこそ余計に悔しさが募った。通算18アンダーは堂々のスコア。それでも、石川は「内容は良かったのに勝てなかった。すべて出し尽くした感じがあるのに悔しさがある」と唇をかみしめた。
 スタートしてほどなく重苦しい雰囲気が流れた。2番のプレー中にテレビ局の中継スタッフがギャラリーに突っ込み、女性をひきずる姿を目にした。「危ないという声が聞こえて振り返ったら、ちょうど(事故が)見えた。さすがに動揺しました。鳥肌が立ったというか寒気がした。怖かった」。それでも、4番で平常心を取り戻すと3メートルのバーディーパットを沈めて単独首位に立った。この日、賞金王に最も近づいた瞬間だった。
 だが、5番でボギーを叩くと、その後、「孔明さんにアイアンのレベルの差を見せつけられた。自分も経験を積んできたと思ったのに…。それが悔しかった」と同組の小田孔に首位を奪われた。それでも簡単には離されない。9番では第2打を1メートルにつけ、15番ではピン奧20センチにつけてバーディー。同じくバーディーを奪った小田孔以上にピンに近づけて、プレッシャーをかけ続けた。
 優勝を逃したが2位になった意味は大きい。池田に約2455万円差をつけたことで最終戦は池田が優勝する以外は自分の成績に関係なく賞金王になれる権利を手にした。「池田さんが優勝して僕が2位以下はありえますね。そう思うときょう決めたかったな」と笑わせたが、もちろん、本音は違う。
 この日は2週前のダンロップ・フェニックス前にテレビマッチで一緒にプレーした横峯さくらが賞金女王に輝いた。「勝たなきゃ目標が達成できない試合で勝った。開幕前から女王になると宣言して目標を達成したのだから凄すぎ」と大いに刺激を受けた。「自分も先週より賞金王に一歩近づけたと思う」。日本シリーズ第1日は例年、賞金ランク順のペアリング。池田との直接対決を制し、「目標」を必ず手に入れる。

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2009年11月30日のニュース