朝青龍、白鵬に6連敗…再び進退問題浮上も

[ 2009年11月30日 06:00 ]

<大相撲九州場所・千秋楽>白鵬にうわてなげで敗れた朝青龍

 朝青龍の09年は何とも締まらない結末となった。相撲九州場所千秋楽は28日、福岡国際センターで行われ、結びの横綱決戦で朝青龍は白鵬に敗れ、12日目から4連敗。3年ぶりの連覇どころか、まさかの11勝に終わった。これで今年初場所から白鵬に本割で6連敗。千秋楽結びで同じ相手に1年間全敗という史上初の屈辱も味わった。朝青龍は痛めている右肩の治療のため、30日にモンゴルに帰国。来年以降の巻き返しを宣言したが、再び進退を問われる年を迎えることになりそうだ。

 全勝優勝の白鵬が凱旋してきた東支度部屋で朝青龍は放心状態になっていた。連覇を期待されながら、終盤の4連敗で11勝止まり。質問に小声でつぶやく姿に、かつて「最強」と呼ばれた男の面影はない。時折鼻をすすりながら「場所前は自分でもびっくりするぐらい調子が良かったが、すぐに扁桃(へんとう)炎になった。何か足りない。反省しないと」と肩を落とした。
 今年最後の大一番。立ち合いで左上手を奪って、白鵬に揺さぶりをかけた。しかし、差し込んだ右腕に痛みが走り、動きが止まった。攻めあぐねているうちに白鵬の反撃を許し、上手を奪われ万事休す。こん身の投げに土俵にたたきつけられ「今年最後という意識は強かった。でも右(腕)を返すことができなかった。左だけで精いっぱい」と残念そうに振り返った。
 09年は初場所の引退危機を乗り越えて2度も賜杯を手にした。だがライバルの白鵬には本割で6連敗。対横綱戦では戦後ワーストタイの6連敗を記録し、千秋楽結びに年間全敗という史上初の屈辱も味わった。師匠の高砂親方(元大関・朝潮)によると、30日に右肩の治療のためモンゴルに帰国するという。このまま白鵬の独走を許すようでは、再び進退問題も浮上してくるが、師匠は意に介していない。「右が使えないのだから仕方ない。白鵬との差は、ケガをするかしないかの差だけ」と、愛弟子もびっくりの強気一辺倒だ。
 大銀杏(いちょう)を結い直した朝青龍は「今年優勝2回か、はぁー」とため息をつき「最低限4回は(優勝を)目指す。分からないけど…」と何とも締まらない言葉で反抗を宣言した。かつて数々の記録を塗り替えた男に、確実に“負”の風が吹き付けている。

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2009年11月30日のニュース