1億円突破!矢野 通算21アンダーV

[ 2008年10月27日 06:00 ]

優勝した矢野はファンから贈られたケーキをパクリ

 男子ゴルフツアーのブリヂストン・オープン最終日は26日、千葉県千葉市 袖ケ浦カンツリークラブ袖ケ浦コース(7138ヤード、パー72)で行われ、矢野東(31=フリー)が4日連続の60台となる67をマークし、通算21アンダーで2日目からの首位を守りきった。9月のANAオープンに続く今季2勝目、ツアー通算3勝目。賞金ランクは2位となり、トップの片山晋呉に679万円差と肉薄。賞金王の可能性が膨らんできたが、米ツアー挑戦との二者択一に頭を悩ませる優勝ともなった。石川遼(17=パナソニック)は5つスコアを伸ばし、通算11アンダーで12位に入った。

【ブリヂストン・オープン最終R


 優勝したのは素直にうれしい。しかし、その分悩みも深くなってしまった。「今ならアメリカでもやれそうな気がしている。でも来週も勝てそうな気がするし、賞金王を獲りたい気持ちもある」。優勝会見の場でも矢野は悩んでいた。
 賞金3000万円を加えて獲得賞金は初めて1億円を突破。初の賞金王が見えてきた。一方、海外挑戦の意欲もあり、来季の米ツアー出場権を懸けた2次予選会(11月12~15日、米国4会場)にすでにエントリーしている。最終予選会(12月3~8日、米カリフォルニア)まで進めば、再来週の三井住友VISA太平洋マスターズ以降はすべて欠場。おのずと賞金王の芽は消える。
 どちらかを選ぶしかないが、どちらも成し遂げられそうな強さと勢いがあるだけに余計に悩ましい。2打差の首位でスタートしたこの日もショットは快調。最大のライバルと見ていた同組の片山が序盤でもたつくのを見ると、焦ることなくパー5で確実にスコアを伸ばして逃げ切った。
 8月のバナH杯KBCオーガスタから8試合連続のトップ10入り。トレーニングと節制による肉体改造に加え、内藤雄士コーチは「ピンの逆サイドに勇気をもって打つゴルフができている。攻め方にも無理がない」とコースマネジメントの変化も急成長の要因に挙げた。
 日本のトッププレーヤーとなり、進むべきはどの道か。「時間がないけどいろんな人と話しながら決めないといけない」。米ツアー経験のあるプロや関係者、周囲のスタッフと相談を重ね「今は6対4でアメリカ」というが、結論を出したわけではない。行くべきか、行かざるべきか。決断のリミットは2週間後に迫っている。

 <野上 追い上げ及ばず2度目2位>ツアー2勝目を狙った野上は追い上げ及ばず、今季2度目の2位に終わった。16番パー5では残り30ヤードからSWでチップインイーグルを奪取。終盤まで粘ったがスタート時の5打差は詰めきれなかった。「よくやったと思う。優勝を意識せずにできることをやって1つでも順位を上げようと思っていた」と満足げに振り返った。

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2008年10月27日のニュース