日本男子4人目!小塚GPシリーズ初優勝

[ 2008年10月27日 06:00 ]

フリーで逆転しGP初優勝した小塚は日の丸を手に笑顔

 フィギュアスケートGPシリーズ第1戦スケートアメリカ第2日が25日、米ワシントン州エバレットで行われ、男子フリーで小塚崇彦(19=トヨタ自動車)が146・08でトップに立ち、SP3位からの逆転でGPシリーズ初優勝を果たした。2位には昨季の世界選手権銅メダルのジョニー・ウェア(24=米国)。また、女子SPではステップで転倒した安藤美姫(20=トヨタ自動車)が57・80で2位発進。中野友加里(23=プリンスホテル)が3位に続いた。GPファイナル連覇中のキム・ヨナ(18=韓国)が69・50で首位に立った。

 大本命と思われていた最終演技者の全米王者、ライサチェクの点数が伸びず、どよめく場内の電光掲示板に「KOZUKA」の優勝が映し出された。SP3位からの逆転で、日本男子としては4人目のGP制覇。小塚はその瞬間の気持ちを「何が何だか分からなくて、体から魂がふわーっと抜けた感じ」と初々しく表現した。
 冒頭の4回転トーループは回転不足の判定を受けたうえに転倒したものの、大きなミスはその一度だけだった。疲労度を考慮し得点が1・1倍される後半に5度のジャンプをすべて成功させ、SPに続き技術点はトップ。伸びやかなスケート技術も光り、GOE(出来栄え評価)でも加点した。佐藤信夫コーチは「4回転の失敗後、持ちこたえたことに価値がある」と絶賛した。
 初出場で8位と健闘した3月の世界選手権後、競技に取り組む意識が変わった。振り付けや練習方法にも自ら意見を出すようになり、練習量も増やした。「自信を持ってここに来た」という19歳は「うれしさと驚きの両方。4回転ジャンプで転んだけど、最後まであきらめなかったのが良かった。技術より気持ちの面で進歩したと思う」と力強く話した。
 父の嗣彦さん(61)は68年グルノーブル五輪の代表選手で、母・幸子さんも全日本選手権の表彰台経験者というフィギュアの申し子。次の舞台は3週間後のフランス杯。続けて結果を出せば、上位6選手によるGPファイナル(12月11~14日、韓国・高陽市)進出だけでなく、10年バンクーバー五輪への道も見えてくる。

 ◆小塚 崇彦(こづか・たかひこ)1989年(平元)2月27日、愛知県名古屋市出身の19歳。父・嗣彦さんは元五輪選手、母・幸子さんは全日本選手権メダリストというフィギュア一家に育ち、5歳から本格的に競技を始める。05年に日本人男子として初めてジュニアGPファイナル制覇。06年に世界ジュニア選手権優勝。昨季の世界選手権は初出場で8位。1メートル70、59キロ。

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2008年10月27日のニュース