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コスタリカの35歳守護神・ナバスは難民も助ける大黒柱

[ 2022年11月13日 04:50 ]

ケイラー・ナバス
Photo By スポニチ

 【森保ジャパン ライバルチェック】日本が27日の1次リーグ第2戦で対戦するコスタリカで、チーム浮沈の鍵を握るのがGKケイロル・ナバス(35)だ。14年W杯ブラジル大会で驚異的なシュート阻止で8強躍進を支え、16~18年にはRマドリードで欧州CL3連覇に貢献。実績豊富なベテランはカウンターの起点としても重要な役割を担うが、今季は所属のパリSGで控えに回り、ここまで公式戦の出場がない。

 昨季はドンナルンマと出場機会を分け合ったが、今季就任したガルティエ監督はローテーションを行わず、W杯を控えるナバスへの気遣いはなし。皮肉にも欧州予選で敗れたイタリア代表に正GKの座を奪われ、今季の出場は日本遠征時の浦和戦(7月23日)を最後に親善試合2戦で計99分にとどまっている。

 夏にはナポリへの期限付き移籍が報じられたが、最終的に1000万ユーロ(約14億4000万円)とされる高額年俸の扱いなどがネックとなって破談。ナバスは「懸命に働いて可能な限りチームを助ける」と残留宣言した。

 信仰心が強く慈善活動に熱心。ウクライナ難民を受け入れるためパリの自宅にあるホームシアターに30人分のベッドを購入した。人格者として周囲から慕われ、節制した生活と自分に厳しい練習態度にも定評がある。スアレス代表監督は9月の親善試合で守護神を招集して出番を与えることもできたが、控え選手のテストを優先し「ナバスは最も試す必要がない選手。誰もが認めるリーダー」と全幅の信頼を寄せる。

 クラブでは腰痛のため、最近の公式戦2戦はベンチ外。不安は残すが「みんなが役割をこなし、チームとして戦う」と話す守護神が、チームをまとめ上げてカタールに向かう。

 ◇ケイロル・ナバス 1986年12月15日生まれ、コスタリカのペレス・セレドン出身の35歳。サプリサ入団を経て23歳でスペインに渡り、レバンテで13~14年シーズンに活躍。直後のW杯ブラジル大会でコスタリカ8強に貢献して直後にRマドリードに移籍し、19年夏にパリSG入り。国際Aマッチ出場107試合。1メートル86、78キロ。

 【戦力分析】GKナバスを中心とした堅守速攻が3大会連続6度目の舞台で生命線となる。最後の調整が重要になるが、課題はむしろ攻撃面にある。北中米カリブ海最終予選では14試合で13得点にとどまり、勝ち点で並んだ米国より8点も少なかった。得失点差で大陸間プレーオフに回る要因になり、アーセナルなどでプレーの経験がある30歳のキャンベルや18歳の成長株ベネットらの奮起が求められる。1メートル96のDFワストンはセットプレーから頭でゴールを狙う。コロンビア出身のスアレス監督はエクアドルを16強に導いた06年大会、ホンジュラスを率いた14年大会と合わせ、自身3度目となるW杯。複数の戦術やシステムを使い分ける巧みな采配で突破口を切り開けるか。

 ≪ワストン番狂わせ誓う≫DFワストンが番狂わせを誓った。ドイツ、スペインの強豪と同組という組分けに「我々が勝ち上がって優勝すると考えるのは頭がおかしいと言われるかもしれないが、クレージーな人間が偉大なことを達成する」と強調。スペインとの初戦に向け「不可能はない」と訴えた。3大会連続出場のFWキャンベルも「相手も同じサッカー選手。腕と足は2本で頭は1つ。エイリアンではない」と恐れることなく大一番に臨む構えを示した。

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2022年11月13日のニュース