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【森保Jの26人】板倉滉 野球で開花した武器の空中戦

[ 2022年11月12日 04:54 ]

高い空中戦の能力を攻守で発揮する板倉
Photo By 共同

 DF板倉の成長の原点には、「野球」がある。生まれてから小1まで住んでいたのは、兵庫県西宮市。甲子園球場は自転車で通えるほどの距離にあった。母の奈保子さん(53)は懐かしむ。「主人は自分も甲子園を目指していた人だったから、1歳の滉を甲子園に連れて行ってピッチング練習を見せたりとか、“横浜高校の松坂大輔のピッチングを目の前で見せるんだ”って言って、そんなことをやったり楽しそうにしていましたね」。イチローを育てた“チチロー”を目指す父と2人でずっと続けていたのが、キャッチボールだった。

 奈保子さんは息子のヘディングの強さの理由が、当時の習慣にあるのではないかと考えている。「あれって空間認知力だから、幼少期のキャッチボールとかなのかなって。西宮の時のお友達は、“滉君キャッチボール上手だったから、野球選手になるのかと思っていたよ”っていう人の方が多いんです」。そう言う奈保子さん自身も学生時代はバレーボール部で、70センチ弱も垂直跳びを跳ぶほど跳躍力がある。受け継いだジャンプ力も土台となった。ちなみに板倉が1歳になる前、初めて話した2語文は「ボールあった、ボールあった」だったという。球体に触れ続けた原体験が、自然と能力を開花させていった。(波多野 詩菜)

 ◇板倉 滉(いたくら・こう)1997年(平9)1月27日生まれ、横浜市出身の25歳。15年川崎Fでトップ昇格し、19年マンチェスターCに完全移籍。ドイツ2部シャルケなどへ期限付き移籍を経て今季ボルシアMGに完全移籍。国際Aマッチ12試合1得点。1メートル86、75キロ。

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2022年11月12日のニュース