×

戦禍のウクライナはW杯予選敗退、戦地から激励の旗が届くもウェールズに一歩及ばず

[ 2022年6月6日 02:58 ]

<ウェールズ・ウクライナ>ウクライナのジンチェンコ(左)。ウェールズに敗れW杯出場を逃した(AP)
Photo By AP

 サッカーのW杯カタール大会(11月21日開幕)の欧州予選プレーオフ(PO)A組決勝が5日に英国のカーディフで行われ、ウクライナは敵地でウェールズに0―1で敗れた。

 ロシアの侵攻を受けて母国が戦場になり、国民に希望を与えるための勝利を誓っていたウクライナのイレブンだが、優位に試合を進めながら前半34分の相手FKでMFヤルモレンコが痛恨のオウンゴール。ベールの鋭い一撃を頭でクリアしようとしたが、結果的にコースを変える形となった。終盤の猛攻も相手GKヘネシーを軸とした執念の守備に阻まれた。

 3月に行われる予定だった試合はロシアのウクライナ侵攻を受けて延期。ウクライナは代表選手の過半数が活動する国内リーグが打ち切られるなど苦難を強いられた。それでも1日にはスコットランドとのPO準決勝に3―1で勝利。ウェールズとの決勝に向け、主力のジンチェンコは「今ウクライナで起きていることは受け入れられないし、世界中の人が真実を知るべきだ。だから勝たないといけない」と訴えていた。

 ペトラコフ監督は決勝の前日会見で国防軍の兵士と連絡を取り合っている選手が戦地から旗を送られ、試合当日にロッカーに飾ると明かしていた。「ウクライナは本当に厳しい状況で、みんながサッカーを観戦できるわけではない」と話し、国民の期待に応える勝利を誓っていたが、一歩及ばなかった。

続きを表示

2022年6月6日のニュース