×

初の天皇杯決勝進出の大分 今季限りで退任の片野坂監督「選手がしっかりチャレンジしてくれた」

[ 2021年12月12日 18:27 ]

天皇杯準決勝   大分1-1(PK5-4)川崎F ( 2021年12月12日    等々力 )

<川崎F・大分>GKの高木(左)と片野坂監督がサポーターの前で抱き合う(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 サッカーの天皇杯は12日、準決勝が行われ、今季J1リーグ18位でJ2降格が決定している大分は川崎Fに1―1の同点からPK戦の末5-4で勝利。初の決勝進出を果たした。

 互いに無得点で迎えた延長戦。大分は後半8分、川崎FのFW小林悠にゴールを決められ先制を許した。だがこのまま試合が終わるかと思われた延長後半アディショナルタイム、MF下田北斗の右サイドからのクロスをDFエンリケ・トレヴィザンが頭で合わせて同点に。試合はPK戦へともつれこんだ。

 PK戦では5人で決着がつかず、6人を終えて4-4となったものの、大分は7人目のMF町田也真人が右足でゴール左に冷静に決めると、川崎FのDF山根視来の右足のシュートはGK高木駿が左に飛びながらストップし、試合を決めた。

 今季限りでの退任が決まっている片野坂知宏監督は、「勝つことができたのは、選手がしっかりチャレンジしてくれましたし、(集中を)切らさずに戦ってくれたからだと思います」と語った。最後は倒れ込んでいたが、どのような気持ちだったのかと聞かれると、「PK戦は運もありますし、どっちに転ぶか分からないので、我々今シーズン悔しいシーズンを終えまして。この天皇杯にファン、サポーターに喜びをという中できょうの準決勝を迎えて、やっぱり勝つ、決勝に進むがファン、サポーターへの恩返しになるという思いで、その思いを選手自身がしっかりと表現してくれたと思います」と感謝した。

 加えて「絶対王者の川崎さんに勝って決勝に行くというのはまさかというところもあったので、私自身、信じられない状況でした」とも話した。4バックで臨み、アグレッシブにプレーをしていたと振られると、「危ない場面も多かったですし、高木駿がセーブしてくれて、ゼロを何とか長い時間続けることができて、何とか90分終わらせて。延長戦も、選手は本当に体にムチ打って、最後まで集中力高く粘り強くやってくれたおかげだと思います。川崎さん相手に準備してきて、選手はそれを信じてくれて、ここまで戦ってくれたことが、結果につながったことが本当に大きいですね」としみじみと話した。

 6年戦った大分での最終戦は初の天皇杯決勝舞台となる。「僕自身も大分で6年間指揮を執らせていただいて、今シーズン残念な思いをさせていたので、この新国立競技場で決勝戦を行える、そしてタイトルがかかるゲームができる、こんな幸せなことはないですし、本当にファン、サポーターの方、支えて頂いている方々、そして一緒に戦ってくれたスタッフ、選手に感謝したいですし、その思いをまた決勝戦で思い切りぶつけて、最高の結果で終われるようにまた準備して戦いたいと思います」と力を込めた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年12月12日のニュース