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【男子サッカー】“黄金の野獣”林 ゴールへの貪欲さ―城彰二の目

[ 2021年7月23日 05:30 ]

東京五輪 男子サッカー・1次リーグA組   日本1―0南アフリカ ( 2021年7月22日    味の素スタジアム )

後半の林(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 苦しい試合だったが初戦で勝ち点3を取れたことは大きな収穫だった。序盤からボールを保持し、何度も決定機をつくりながら決め切れなかったことが厳しい試合になった原因だが、1トップに入った林は悪くなかった。運動量もあって、アグレッシブにボールを追うし、それほど高さはないがポストプレーもうまい。ゴールに対する貪欲さもある。オフサイドになったが何本もいい形をつくり、得点のにおいを感じさせた。大会前のテストマッチでも起用されたが、久保や堂安ら中盤選手との相性が一番いい。なにか一つきっかけがあれば、ゴールを決められると思う。

 決勝点はサイドチェンジから右サイドで久保が受けて決めたが、久保の技術の高さが出ていた。ワンタッチでコントロールした時に相手が飛び込むとかわされる絶妙な距離を取ってシュートした。DF2人とGKの位置もよく見てシュートしていて、高い技術が見えた。

 初戦は力の差があっても難しい試合になる。私が出場した96年アトランタ五輪は立場が逆で、格下の日本が優勝候補のブラジルの攻撃に耐え続けて最後にミスから決勝点を奪って勝った。サッカーは決めるべき時に決めないと、何が起きるか分からない。そして攻撃から守備の切り替えは良かったが、守備から攻撃の切り替えはスイッチがなかなか入らなかった。次戦以降の相手に対してはボール保持率も下がる。中2日で時間はないが、しっかり修正してほしい。 (元日本代表FW)

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2021年7月23日のニュース