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名門シャルケ“記録的”降格危機…今季わずか1勝と低迷、負傷者続出でトップチームGK1人のみ

[ 2021年2月27日 06:00 ]

<シャルケ―ドルトムント>前半途中に負傷交代となったシャルケGKフェールマン(右から2人目)。心配そうに声をかけるドルトムントFWハーランド(右端)(AP)
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 ドイツサッカー選手権7度の優勝を誇る古豪シャルケが“記録的”降格の危機に直面している。今シーズンここまでわずか1勝。22試合を消化し勝ち点9(1勝6分け15敗)はクラブ史上最低の成績で、1963年に発足したブンデスリーガとしてもワースト2位という低迷ぶり。過去3度しか降格を経験していないが、そのシーズン全て19敗以上していた。残り12節で4敗すると、その数字に届いてしまうため30年以上戦い続けてきた1部からの転落が着実に近づいてきた。

 今季のシャルケは得点(15)、失点(56)ともリーグワーストで最下位に低迷。それでも1部残留圏の15位ヘルタまで勝ち点差「9」と、残り12試合で数字的にはまだまだ望みがあるのが救いだ。しかし、先日のドルトムントとの一戦でGKフェールマン(32)が負傷。後日、肋骨の骨折とクラブから発表され故障者リスト入り。チームは既に正GKの座を争っていたレノウ(28)がそけい部の負傷により離脱中で、トップチーム所属のGKはランガー(36)の一人のみ。下部組織の若手をベンチ入りさせなければならなくなってしまった。

 第3GKとなるランガーはプロキャリア20年を超えるベテランながらドイツ1部では2試合しかプレー経験がなく、途中出場となったドルトムント戦ではFWハーランドに2得点されるなど4失点。昨年12月のレバークーゼン戦では上記2人のGKが負傷していたため、ドイツ1部で実に15シーズンぶりの出場を飾ったが0―3の完敗。リーグワーストの守備陣を支えるには心細い存在だ。

 攻撃陣も今冬の移籍市場で獲得したFWフンテラール(37)が活躍できず。移籍前からふくらはぎに問題を抱えており、加入後7試合でベンチ入りできたのは1試合のみ。ここまでわずか11分しかプレーできていない。チーム最多5得点を挙げている19歳の新星FWマシュー・ホッペに頼るしかない状況だ。

 63―64シーズンからのブンデスリーガでクラブ史上最低勝ち点は、64―65シーズンの「29」(※白星を勝ち点3で計算)。当時は30試合制で7勝8分け15敗という成績だった。今季のチームは既に15敗。負け数の最低記録は82―83シーズンの「20」で、この時を含め3度の2部降格を経験。その他2度は80―81、87―88シーズンで負け数はどちらも「19」。過去の傾向から1部残留のためには残り14節で3敗しか許されなさそうだ。

 シャルケは次節27日にアウェーで10位シュツットガルトと対戦予定。GK2人に加え、25日にはMFブジェラブが右足を痛め戦線離脱。病欠していたDFウィリアムはチーム練習に復帰したがDFムスタフィ、MFコラシナツ、MFベンタレブらは別メニュー調整で、メンバー入りしても先発出来るかは不透明。DFサネ、DFナスタシッチらは引き続き欠場することになりそうで依然として厳しい状況が続く。

 かつて元日本代表DF内田篤人氏(32)が所属したドイツの名門が、この“難局”を乗り越え無事1部残留を勝ち取ることが出来るのか。あるいはクラブ史に残る不名誉な成績で降格してしまうのか、シーズン後半戦の戦いに注目だ。

 なお、22試合消化時点でのブンデスリーガワーストの数字はタスマニア・ベルリンで65―66シーズンに1勝2分け19敗の勝ち点「5」。タスマニア・ベルリンはこのシーズン2勝4分け28敗で勝ち点「10」で終えており、これがリーグワーストの勝ち点記録となっている。

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