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横浜FC・MF高橋秀人、優れた攻守バランスと戦術眼で初「トップ10」へ

[ 2021年2月17日 05:30 ]

26日開幕 J1注目の新戦力(12)

横浜FCのMF高橋秀人
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 また1人、百戦錬磨の職人が加わった。MF高橋秀人(33)はボランチもDFもハイレベルにこなす。派手さはないが、攻守のバランスと戦術眼に優れ、的確なカバリングで相手好機の芽を摘めば、視野の広いパスで攻撃の流れをつくる。「攻守にイニシアチブを取りリスクを恐れない。そこに魅力を感じる」。三ツ沢で躍動する姿は想像に難くない。

 今季、神奈川県にはJ1だけで4クラブ。横浜FCでは他と差別化する独自ブランドの創造を目指しており、高橋はそんなビジョンにも共鳴した。昨年12月の左第5中足骨骨折の影響で開幕には間に合わないが、焦りはない。「他ではベテランでも横浜FCでは中堅。そういう中でクラブと一緒に成長していきたい」と話す。

 昨年8月に新型コロナウイルスに感染。復帰後も後遺症に悩まされ、コンディションが上がらず、同9月には右肘を脱臼するなど苦しいシーズンを送った。クラブ初の「トップ10」を目指す横浜FCはそれでも高橋を必要とした。「背景を全て知った上でオファーを出してくれた。感謝しきれない」と意気に感じている。

 オフ期間の1月、リハビリに足を運んだ高橋がクラブハウスで目撃したのは黙々と自主トレに汗を流すFWカズとDF伊野波の姿だった。「体をつくるという表現よりも自分にムチを叩くようなトレーニングに見えた。己と向き合う姿勢はなくしてはいけないと感じました」。新天地に宿る不屈の魂にも触れ、高橋もまたプロ12年目の進化を目指す。 

 ◆高橋 秀人(たかはし・ひでと)1987年(昭62)10月17日生まれ、群馬県伊勢崎市出身の33歳。東京学芸大から10年にFC東京に加入、神戸、鳥栖を経て今季から横浜FCへ。J1通算248戦15得点。12年にはザッケローニ監督率いる日本代表に招集され、国際Aマッチ通算7戦出場。16年から日本プロサッカー選手会会長を務める。1メートル84、75キロ。利き足は右。

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