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「関西のバルサ」大阪・興国高から5人がJ入り!同一校、同学年は超異例の快挙

[ 2020年12月3日 05:31 ]

20年1月、全国高校サッカー選手権に出場した興国高の選手ら。杉浦(後列左端)、南(後列左から3人目)、平井(後列左から4人目)、田川(後列右端)
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 大阪・興国高のサッカー部から、来年度に5人もの選手がJクラブに加入することが2日、分かった。すでに4選手の内定が決まっていた中、新たにMF南拓都(3年)が横浜入りすることが判明。関係者によると、近日中にも正式発表されるという。同じ高校、同じ学年から5人のプロが誕生するのは極めて異例で、近年にない快挙となった。

 「関西のバルセロナ」という異名を誇る興国高から、一気に5人のプロ選手が誕生することになった。すでにGK田川知樹、DF平井駿助、MF樺山諒乃介の横浜入り、FW杉浦力斗のJ2金沢入りが決まっていた中、新たにMF南拓都が横浜に加入することが判明した。

 最後に内定を得た南は、50メートル走5秒9の快足サイドアタッカー。左右のウイング、サイドバックをこなし、興国高の内野智章監督は「跳躍力なら高校時代の(OBで現神戸の)古橋より上」と語る。チーム内などで「伊賀の忍者」「マサイの戦士」と呼ばれるほどの身体能力の持ち主で、三重県名張市から片道2時間近くかけて通学する努力家でもある。

 興国高から4選手を獲得した横浜にも思惑があった。Jリーグがこの先導入を目指す「U―21リーグ」への参戦を視野に、「U―21チーム」の編成を準備している。来季はユースから2人、興国高から3人の高卒選手の加入が内定しているが、将来の核となる選手を各位置で育てる狙いを持ち、さらに「足の速いアタッカー」を全国で調査。横浜同様に攻撃的なアタッキング・フットボールを掲げる興国の南にたどり着いた。

 今年、埼玉の昌平高から4人のプロ内定者が出たことで注目された中、それを上回る快挙。今年度の全国高校選手権大会に出場できなかった興国高だが、プロ輩出という側面で高校サッカーの歴史に名を刻んだ。

 ▽興国高サッカー部 個々の育成に主眼を置き、その攻撃的なスタイルから「関西のバルセロナ」と称される。かつてJFLでプレーした内野智章監督(40)が06年から指揮を執り、昨年度に全国高校サッカー選手権大会に初出場した。これまでは大阪予選をなかなか勝ち上がれなかった一方、育成を重視した指導法により、同高サッカー部出身のプロ選手は昨年度までで計16人と非常に多い。主なOBに古橋亨梧(現神戸)らがいる。

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2020年12月3日のニュース