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夢対決実現!53歳カズ 途中出場で逆転勝ち呼びイニエスタ“脱帽”させた

[ 2020年11月9日 05:30 ]

明治安田生命J1第28節   横浜FC2―1神戸 ( 2020年11月8日    ニッパツ )

<横浜FC・神戸>後半42分からカズ(右)が出場、イニエスタとの競演が実現(撮影・篠原岳夫)
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 横浜FCのFW三浦知良(53)が神戸戦の後半42分から途中出場し、自身のJ1最年長出場記録を53歳8カ月13日に更新するとともに神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(36)との「夢対決」が実現した。試合もカズの投入直後にMF安永玲央(19)の決勝ゴールが決まり、2―1で逆転勝ち。スペインの魔術師を“脱帽”させた。

 日本のキングが、イニエスタを「脱帽」させた。後半42分、この日一番の拍手とともにカズが投入される。わずか2分後、今度はどよめきが起きる。右エリアを持ち上がるイニエスタ。守備に回り、ピタリと並走するカズ。開幕前から注目された夢のマッチアップに場内は敵も味方も忘れ、酔いしれた。

 カズ投入後、試合が動く。「雰囲気を含め、自分たちに(流れを)持ってきてくれないかと。その通り持ってきてくれた」と下平監督。空気が変わった終了間際、安永の決勝弾が決まり連敗も3でストップ。起用は的中した。イニエスタは言う。「日本を象徴する選手とピッチに立てて光栄。53歳でプレーできる秘訣(ひけつ)を知りたい。脱帽の思いです」

 カズにとっても特別な時間だった。昨年11月、J1昇格を決めると「イニエスタの股を抜きたいね」と口にした。むろん最大級のリスペクトを込めて。2月のキックオフカンファレンスで顔を合わせると意気投合。控室でも日本サッカー、神戸の生活など話は尽きなかった。この日も試合前に抱擁、試合後には互いに「11番」と「8番」のユニホームを交換。忘れられない“11月8日”となった。

 百戦錬磨のカズは過去に衝撃を受けた選手にバッジオ、マルディーニ、コスタクルタらを、チームでは95年のブラジル代表を挙げ「ロベカル(ロベルト・カルロス)なんて見たことのない速さだった」と話す。その都度、超えるべき頂の高さに燃え成長の糧になった。「股抜き」こそ来季に持ち越したがイニエスタとの対決も新たな血肉となるはず。キング伝説にまた一つ、武勇伝が加わった。

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