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感染者500人超死者も出ているのに…欧州唯一の強行開催ベラルーシL 放送権で“コロナバブル”

[ 2020年4月7日 09:45 ]

欧州ではサッカーの試合が唯一行われているベラルーシリーグ(AP)
Photo By AP

 新型コロナウイルスの感染拡大で世界中のスポーツが中止、延期となる中で、公式戦を開催しているサッカーリーグが存在する。ロイター通信によると、ベラルーシ(欧州)、タジキスタン(アジア)、ブルンジ(アフリカ)、ニカラグア(北中米カリブ海)の世界で4つだけで、いずれも普段なら注目されない超マイナーリーグ。欧州で唯一試合を行っているベラルーシは海外から放送権契約が殺到するなど“バブル”に沸く一方で、感染者、死者が出る中での“強行開催”に批判も集まっている。

 新型コロナウイルスの感染者がまだ出ていないタジキスタンで20年シーズンが4日に開幕した。予防措置で無観客となった以外は普段通りの開催。昨季国内3冠に輝いたイスティクロルのレフチェンコ監督は「世界がパンデミックなのに、この国にはウイルスがなくて、今季が始められるのはありがたいね」と喜びを語った。

 昨年8月開幕のニカラグアとブルンジは国内感染者が1桁と少ないため無観客開催としながらシーズンを続行。それでも選手からは不安の声も上がっており、ニカラグア1部ラスサバナスのGKモスケラは「他の選手との接触を避けている。相手が感染しているかも、と思うと試合に集中できない」と証言。リーグとしても「競り合いが少なくなり、サッカーが変わった」と影響は大きいという。

 異例の強行開催に踏み切ったのがベラルーシだ。欧州主要リーグが既に試合開催を断念していた3月19日に開幕し、国内感染者が500人を超え死者が出ても続行。同国協会の広報は「安全策は講じている」と強調するが、英BBC放送(電子版)によると、国際プロサッカー選手会のベアホフマン事務局長は「どうやったらリーグ戦を開催し続けられるのか理解できない。常識的に考えれば(他国と)同じ措置を取るべき」と中断を訴える。

 ベラルーシはUEFAランク25位で知名度も低い。それでも欧州で唯一行われているトップリーグとなったことで、スポーツイベントが軒並み中止となる状況での貴重なコンテンツとして海外から引き合いが急増した。

 英紙デーリーメール(電子版)によると11カ国の放送局と放送権契約を締結。ロシアのマッチTVとは21万ドル(約2300万円)で、同リーグとしては高額契約だという。同紙は「リーグ上層部にとっては人命よりも放送権が上」と報道。マイナーリーグに世界中から批判も注目も集まっている。

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2020年4月7日のニュース