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闘莉王 引退会見で盟友の楢崎氏&中沢氏のサプライズ登場に涙

[ 2019年12月1日 16:06 ]

現役引退発表の記者会見で、ハンカチを顔に当てるJ2京都の田中マルクス闘莉王
Photo By 共同

 J2京都の元日本代表DF田中マルクス闘莉王(38)が1日、現役引退を発表した。都内で会見。日本代表やクラブでともに戦った盟友、楢崎正剛氏(43)と中沢佑二氏(41)のサプライズ登場に涙するなど、プロ19年のキャリアを振り返った。

 以下、主な一問一答は以下の通り。

 ――最初に

 「きょうをもちまして、あっという間の19年間のプロ生活を引退します。たくさんの人、ファン、サポーターが、こんなしょうもない人間を支えてくれた。感謝の気持ちで心から胸がいっぱい。ありがとうございます」

 ――2003年に日本国籍を取得。『闘莉王』の名に込めた思いは

 「決めたのは自分の心がブラジル人ではなく、日本人の心になっているんだな、と感じて国籍を取得した。日の丸への思い、支えてくれた人への思い、日本に恩返しをする一心で国籍を変更した。インパクトを残さないといけないなと思った。振り返ってみればピッタリだったかな、と」

 ――印象に残っている瞬間、試合は

 「(10年南ア)W杯パラグアイ戦のコマ(駒野友一)ちゃんがPKを外した瞬間は凄く印象に残っている。次のキッカーが自分だった。外すのであれば自分でも良かった。蹴れなかったことでどれだけ眠れぬ夜を過ごしたか」

 ――Jリーグの中で印象に残っているシーンはありますか

 「2つ。1つは浦和の初優勝。埼スタがあんなに盛り上がったのは印象的でした。あれだけ喜ぶ瞬間にピッチに立たさせてもらえたのは忘れられない。それと名古屋の初タイトル。会見で“(ストイコビッチ監督を)男にするぞ”という言葉を発信し、自分に対してもプレッシャーがかかる中で宣言通りのタイトル。その2つは替えのきかない瞬間」

 ――引退を報告した際に印象に残っている誰かの言葉はありますか

 「(元浦和社長、元日本サッカー協会会長の)犬飼(基昭)さん。“そうなの?それでいいの?”と言われまして…“そりゃないよ!”と思ったのが印象的でした(笑)。たくさんお世話になった人がいて“まだやれる”“できるよ”と声をかけていただき幸せ者だと思った。でも自分が決断したわけで“すいません”と謝りながら、愛を感じました」

 ――サポーターには

 「若いときには相手サポーターを挑発し、ビッグマウスな一面もあり、ときには自分のサポーターともディスカッションをし(笑)、時にはゲキを飛ばし、飛ばされ、真剣に向き合ってきた。でも最後の最後は常にリスペクトしていました。その人たちがいなければ、この瞬間はない。サッカーはつまらない」

 ――ご家族は何と?

 「22年間も日本にいる。年に1回くらい帰って、帰るたびに両親の年齢の取りぐあいを見ると妹に任せきりで、すごく罪悪感を持っています。もう両親は60歳を過ぎており、200歳まで生きて欲しいが、それは不可能で、少しでも側にいて、支えてあげたい。元気なうちに帰って、22年間できなかったことを取り戻したい。今までは“(サッカーを)辞めるぞ”と父には言っては反対されていて、やっと“帰って来い”と言われた。少しでも恩返しができるようにしたいです」

 ――現在の日本代表には長友や川島らW杯南アフリカ大会の戦友がいる。贈りたい言葉は

 「自慢に聞こえるかもしれないけど、いまだにベスト16の壁があって、一番近くに迫ったのが2010年の代表。18年の西野監督の代表も素晴らしく目に光るものがあった。やっぱり簡単な壁ではないのは分かっている。短期間で互いを信頼し、戦うのは難しい。まだまだベテランに引っ張ってもらいたい。欠かせない。背中で見せていただくことを期待している。岡田監督、西野さんも森保さんも日本人監督で“日本魂”を表に出して活躍して欲しい」

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