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独報道に接するたび悲しくなるMF香川の現実…輝き取り戻すシナリオは

[ 2019年1月28日 09:00 ]

ドルトムントのMF香川真司
Photo By スポニチ

 最近のドイツでの報道に接するたびに悲しくなる。ドルトムントで11月からベンチ外が続くMF香川真司(29)のことだ。26日付のドイツ紙ビルト(電子版)は香川について「2度のチャンピオンから、長期間の補欠へ」という見出しで「ドルトムントの黄金世代の1人だった香川が今、放出の一歩手前にいる」と報道。クラブは移籍金を200〜300万ユーロ(約2億5000万円〜約3億7500万円)に引き下げる意向だが、1月の移籍期限締め切りまであと5日の段階でいまだに取引相手がいないという。

 現地での英雄ぶりを肌で感じたのは2015年11月。ブンデスリーガの協力を得てルールダービーを取材する機会に恵まれた。本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクの外壁に一番大きく描かれていた3人がFWロイス、FWオバメヤン(現アーセナル)、そして香川。まさに看板選手だった。宿敵シャルケを相手に先発し、前半30分に右クロスを本人が「あまり記憶にない」というヘディングで先制ゴール。立ち見で2万5000人が入る南スタンドの“黄色い壁”が揺れた。「カーガーワシンジー!ラララー、ラララーラー!」。総立ちの8万人が歌うチャントは腹に響いた。

 あの感動的な大合唱は、残念ながらドルトムントではもう見られないのかもしれない。黄黒のユニホームではないかもしれないが、躍動する、輝く香川を見たい。そう期待するファンも多いと思う。

 香川はスペインでのプレー希望を公言しているが、EU外選手枠がネックになっていると報じられている。半年間、ドイツ1部の他チーム、欧州リーグで決勝トーナメントに進出したチームなどに期限付き移籍して健在を示してから、今夏にスペインへ挑戦するというシナリオが現実的なのかもしれない。(記者コラム・大久保尚文)

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2019年1月28日のニュース