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【W杯 今日の注目選手】今大会最年少19歳アーザニの“豪速”ドリブル

[ 2018年6月21日 10:30 ]

W杯ロシア大会1次リーグC組   オーストラリア-デンマーク ( 2018年6月22日    サマラ )

オーストラリア代表・アーザニ
Photo By AP

 攻撃の切り札として投入されたのは、38歳のFWケーヒルではなかった。16日のC組初戦でフランスに1―2と敗れたオーストラリア。オウンゴールで勝ち越された3分後の後半39分、ピッチにはFWダニエル・アーザニ(19=メルボルンシティー)の姿があった。

 19歳の選手は32チームに計7人いるが、アーザニは99年1月生まれの今大会最年少。フル代表は5月に初招集され、6月の親善試合に2戦出ただけだ。それでも9日のハンガリー戦で途中出場から1分後、左サイドからドリブルで切れ込んで代表初ゴール。オーストラリアAリーグで今季の最優秀若手選手に選ばれた実力を見せつけた。「フル出場は難しいが、20分か25分なら違いをつくり出せる」とファンマルウェイク監督の期待は大きい。

 フランス戦は得意のドリブルを披露する機会はなかった。だが、「試合開始前が一番感動した。黄色いユニホームを着たファンがいっぱいで、国歌の時は本当にドキドキした」と笑顔が初々しい。21日のデンマーク戦は「先発するつもりで」準備を進めるという。

 生まれたのはイラン西部の町。「生存競争みたいな」激しいストリートサッカーしか経験がなく、6歳で移住したオーストラリアで才能を伸ばした。一時誘われたイラン代表入りは断ったが、その母国は15日にモロッコを1―0で破り、アジア勢今大会初勝利。「選手の何人かのインスタグラムはフォローしてて、みんなメッチャ喜んでいた。僕も凄くうれしい」。次は自分のプレーで、チャンスを与えてくれた“育ての母国”に恩返しする。

 ◆ダニエル・アーザニ 1999年1月4日生まれ、イラン西部ホッラマーバード出身の19歳。6歳で「生活を向上させるために」家族とシドニーへ移住。16年にメルボルンシティー入りし17歳でAリーグデビュー。各年代代表に選ばれ、15年U―17W杯(チリ)出場。18年2月にイランではなくオーストラリア代表入りを選択。通算3試合1得点。1メートル71、73キロ。背番号17。英語とペルシャ語を話す。

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2018年6月21日のニュース