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大迫“代名詞”生まれた試合相手元監督が明かす秘話、人間性も半端ない

[ 2018年6月21日 07:41 ]

W杯1次リーグH組   日本2―1コロンビア ( 2018年6月19日    サランスク )

2009年1月5日、鹿児島城西と戦った滝川二の栫裕保監督
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 W杯コロンビア戦で決勝ゴールを決めたFW大迫勇也(28)の「半端ない」の生みの親・滝川二高の当時のサッカー部監督、栫(かこい)裕保氏(57)がスポニチ本紙の取材に応じ、秘話を明かした。

 大迫の決勝ゴールから一夜明けた20日、“半端ない旋風”は勢いを増した。

 大迫の代名詞となっている「半端ない」の“元ネタ”は、2008年度の第87回全国高校サッカー選手権大会で、大迫を擁した鹿児島城西高に敗れた滝川二高(兵庫県)のキャプテン中西隆裕さん(27)が試合後に「大迫、半端ないって」と、そのプレーを称賛した言葉。この映像が動画投稿サイトで人気になった。実はこの場面には続きがあり、栫監督が「俺、(大迫に)握手してもらったぞ」と発言し、敗戦で落ち込む選手から笑いが巻き起こった。

 栫さんは、教え子が発した言葉が日本中で叫ばれていることに「凄いことになっているみたいですね。私、全然知らなかったんですよ」と驚いている様子。当時の大迫について「練習で得る能力とは違う天性のものを持っていた。反転力というか、一瞬で相手を置き去りにしていた」と振り返った。「守る選手は普通、相手の前に立つものですけど、一瞬で置いていかれるから常に大迫君を追いかける形になる。中西は“振り切られた〜、ついていかれへんかった〜”って言っていましたね」と明かした。

 栫さんは大迫の人間性にも魅せられた。「試合後、“君はいつか日本を背負う選手になる。頑張れ”と言ったら、真っすぐこっちを見て“ありがとうございました”と。なかなか言えるもんじゃないですよ」。握手はこの時に交わしたという。

 中西さんについて「凄く真面目なヤツで、主将として負けて暗くならないように、あえてああいう言い方をしたんだと思います」と心境を代弁。「だから私も笑って“握手してもらったぞ”と言ったんですよ」と秘話を明かした。

 10年度の第89回大会で初の日本一に輝いた栫さんは15年にサッカー部監督を勇退。ゴルフ部の部長として昨夏の全国高校ゴルフ選手権女子団体で初優勝を果たした。

 大迫には「今や日本のエース。頑張ってほしい」とエール。1次リーグ残る2試合でのさらなる活躍を期待した。

 ▼大迫半端ないって 大迫が鹿児島城西時代の08年度第87回全国高校サッカー選手権準々決勝・滝川二戦で背後からのロングボールを走りながら絶妙なトラップ。チーム6点目を演出し、6―2で大勝。試合後のロッカールームで滝川二のDF中西主将=写真=が「大迫半端ないって!あいつ半端ないって!後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん。そんなんできひんやん普通」と泣きながら叫ぶ姿が話題となり「大迫半端ないって」がサッカーファンの間で定着。

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