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半端ない大迫ならできる2戦連発!「ここで満足はしたくない」

[ 2018年6月21日 05:30 ]

W杯1次リーグH組   日本―セネガル ( 2018年6月24日    エカテリンブルク )

大喜びで駆ける大迫
Photo By 共同

 半端ない伝説が始まった――。W杯ロシア大会に出場中の日本代表は1次リーグ初戦コロンビア戦から一夜明けた20日、ベースキャンプ地のカザンで軽めの練習を行った。コロンビア戦で決勝弾を挙げたFW大迫勇也(28=ケルン)は、第2戦のセネガル戦(24日、エカテリンブルク)で02年日韓大会の稲本潤一(38=現札幌)以来、史上2人目のW杯2戦連発を狙う。自身がゴールを挙げた国際Aマッチ6戦では4勝2分けの負けなし。不敗神話を継続し、日本を史上3度目の決勝トーナメント進出へ導く。

 「サランスクの奇跡」の主人公となった大迫から、その余韻は消えていた。コロンビアとの激闘から3時間後。ベースキャンプ地のカザン空港に戻ってきた大迫は、セネガル戦へ半端ない集中を研ぎ澄ませていた。高揚感を隠せない代表スタッフとは対照的に、2戦連発へのイメージをかき立てていた。

 「ここで満足はしたくない。まだまだ次に続くので、頑張っていく」

 これまでW杯で2戦連発弾を決めたのは、02年日韓大会で決勝トーナメントに導いた稲本だけ。セネガル戦でも決めれば、日本代表では史上2人目の快挙となる。自身が得点を決めた国際Aマッチ6試合は4勝2分けの負けなし。次戦もネットを揺らすことが2大会ぶり16強進出への近道となる。

 鹿児島城西高3年時の08年度全国高校選手権では、初戦から決勝まで全試合でゴールを挙げた。その時の10得点はいまだに破られてない不朽の大会記録だ。「大迫、半端ないって!」。準々決勝で敗れ、号泣した滝川二のDF中西主将が思わず口にした言葉はサッカーファンの間で定着した。あれから月日が流れ、コロンビア戦で見せた魂の決勝弾は日本列島を興奮に巻き込んだ。再び「半端ない」が脚光を浴びている。

 このW杯のために全てを懸けてきた。持ち前のポストプレーを磨くため、風船トレーニングを導入。仰向けで風船を膨らませることで体幹を鍛えた。さらにストローで呼吸をしながら体幹トレーニングを行い、心肺機能も高めた。前回大会から4年間、ブンデスリーガの屈強なDFに吹き飛ばされては起き上がり、体の当て方に工夫を凝らした。「競り負けなかったのは凄く良かった。あそこで負けずにDFに勝てた。4年間ドイツでやってきて本当に良かった」。コロンビア戦の1点目を呼び込む競り合い、そして決勝点となったヘディング弾には確かな努力の跡があった。

 1次リーグで敗退した前回大会は、自身も無得点に終わった。「W杯は全てがうまくいく大会じゃない。悪い時もある。その時に自分たちが歯を食いしばって頑張れるか」。勢いに乗った大迫が、今度は一気にスターダムを駆け上がる。

 ▼02年W杯日韓大会の稲本2戦連発 ベルギーとの1次リーグ初戦、1―1の同点だった後半23分に勝ち越し弾。パスカットした稲本が長い距離を駆け上がり、相手DFを1人かわして左足でシュートを叩き込んだ。2戦目はグループ首位のロシア戦。0―0で迎えた後半6分、ペナルティーエリア内で柳沢のダイレクトパスをフリーで受けると、冷静に流し込んで先制。これが決勝点となり、初の決勝トーナメント進出に弾みをつけた。

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2018年6月21日のニュース