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【城&中田氏が分析】勝因、数的優位を生かしたパス回し 柴崎起用が攻撃の幅広げた

[ 2018年6月21日 09:00 ]

W杯1次リーグH組   日本2―1コロンビア ( 2018年6月19日    サランスク )

<日本・コロンビア>前半、相手選手と競り合う柴崎(撮影・西尾 大助)
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 強豪・コロンビアに勝って勝ち点3を挙げた日本。スポニチ本紙評論家の元日本代表FW城彰二氏(43)と元日本代表DF中田浩二氏(38)が、勝因や勝敗を分けた分岐点など、多角的に分析した。

 城 開始早々に日本が先制し、相手が退場者を出したが、無理して2点目を取りにいくよりもパスを回して相手を疲れさせたことが良かった。数的優位を生かしてパスを回し、チャンスがあれば行くというスタンスで相手の体力を奪った。スタメンは今のベスト、コンディションのいい選手を使い、うまくはまった。

 中田 日本の試合の入りが素晴らしかった。しっかり集中して、周到に準備し、イメージも持っていた。それに対してコロンビアは日本をなめていたのかパスがずれるなど単純なミスが多く、隙があった。10人になって目を覚ましてブロックをつくって守り、ボールを奪って攻めてきたが、日本が1人多い数的優位を生かして守り切った。攻撃では大迫にボールが収まり、香川もパスを受けられた。乾や柴崎も含めて距離感も良かった。

 城 西野監督は96年アトランタ五輪でブラジルを破っているが、今回の戦いも当時とダブる部分がある。しっかり守備から入り、ボールに対して必ずプレッシャーをかけていき、奪ったら攻撃というコンセプトは同じだった。その中でも西野監督は攻撃しようという意図を持っている。相手を分析して、テーマを持って攻めていくところも同じだ。

 中田 スタメンに柴崎を起用し、攻撃的にしたことが良かった。パラグアイ戦で前線に縦パスを出し、攻撃のスイッチを入れるパスで、相手の守備をずらすなど攻撃のアクセントになっていた。視野の広さを生かして広角にパスを出して攻撃の幅ができていた。

 城 大迫は後半途中までは決していい出来ではなかった。香川と2トップ気味になって守備をしていたが、ミスも多く、与えられた仕事はできていなかった。得点の場面は相手選手が3人密集している中で、腕をうまく使って相手の体を抑えてジャンプし、フリーでヘディングシュートした。これはJリーグではあまり見られない駆け引きで、屈強なDFがそろう欧州で身につけたもの。この1点で自信をつけたが、ストライカーは1点決めると変わるだけにこの先も期待できる。

 中田 セネガルは予想以上に組織的で4バックで中央を固めて守り、集中力もあった。カウンター攻撃が鋭く、身体能力を生かして縦に攻めてくる。リスクマネジメントをしっかりする必要がある。個の力もあり、2トップの1人、ニャンがいい動きをしていた。ただ、ポーランド戦ではマネが左サイドに入り、あまり前に絡んでいなかったのは幸いだ。雰囲気もいいのでまずは体力を回復し、勢いを維持していけばいいと思う。

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2018年6月21日のニュース