6・7キリン杯開催の吹田スタジアム 将来のW杯招致へ試金石の試合に

[ 2016年5月22日 11:05 ]

6月7日にキリン杯開催予定の吹田スタジアム

 ハリルホジッチ監督率いる日本代表が6月7日、G大阪の新スタジアム「吹田サッカースタジアム」でキリン杯を行う(対戦相手未定)。ブルガリアにボスニア・ヘルツェゴビナ、デンマークが来日する同杯は、9月から始まる18年W杯ロシア大会アジア最終予選へ向けて大きな調整の場だ。同時に吹田スタジアムにとっても、今後へ向けて試金石となる試合だ。

 寄付金を募り、約140億円で建てられたサッカー専用スタジアムは、4万人収容でW杯も開幕戦や決勝戦以外ならば開催可能。ピッチとの距離はゴール裏で10メートル、サイドラインからは7メートルで臨場感あふれる。G大阪担当として何度も吹田スタジアムでJリーグやACLの試合を取材してきた。ファンは当然、対戦相手からの評判も概ね好評だ。

 もっとも、それはピッチ上の話だ。こけら落としの対戦相手となった名古屋の関係者は試合後にこう明かした。「ホームとアウェーのロッカールームの広さが違う。アウェーにはバスタブがない」。またアウェー側ロッカールームと審判の控室が近いという問題点も指摘した。万が一に備え、基本的に選手と審判は接触できないように配慮されているが、それができてしまう構造だった。

 バスタブのないアウェー控室ではシャワーを浴びるしかない。その個数も少なく、順番待ちの選手が多数いた。また整髪しようとしても鏡の前に電気がない。ナイターマッチの後は「暗がりの中で身だしなみを整えないといけない」(名古屋関係者)と苦笑い。鹿島関係者のように「ウチは気にならなかった」という意見もある。より劣悪な環境でプレー経験のある選手も多い。アウェーチームとして考えればバスタブや電気など大きな問題ではないのかもしれない。ただJリーグや日本協会からは改善指令は下された。 今年4月に就任した山内社長によるとアウェー側のシャワーを3個増やしたという。審判控室の問題も出口扉を1カ所から2カ所に増やして、審判に接触できないような工事が行われた。

 国際試合は対戦相手であると同時に招待客でもある。山内社長は「改善点はいろいろあると認識している。その中で今できることをやっている」と最大限の努力をしつつ、観客の移動手段も含めてホストとして十分な“おもてなし”ができるかどうか気をもんでいる。指定管理者として運営管理をしていくG大阪は今後より多くの国際試合開催を目指しており、協会側もキリン杯の成否に注目している。今月末にはFIFAの役員もスタジアム視察に訪れる予定だ。合格点をもらえれば、将来的なW杯招致に成功した際には試合会場となる可能性がある。その第一歩がキリン杯だ。

 果たして6月に来日する3カ国は、そのサポーターは、吹田スタジアムを気に入ってくれるだろうか。関西を活気づける上でG大阪新スタジアムが持つ役割は大きいと考えているだけに、心からの成功を祈っている。そして最後に一言付け加えるならば、G大阪は新スタジアムに胡座(あぐら)をかいているわけではなく、より良い環境作りを心掛けている。そこを理解してくれた上で足を運んで欲しい。(記者コラム・飯間 健)

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