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ハリル改革が目指すもの「フットボールを日本で第1のスポーツに」

[ 2015年11月29日 13:10 ]

日本代表のハリルホジッチ監督

 “金の卵”と接して、日本代表のハリルホジッチ監督は終始、ご機嫌だった。28日から都内で開催されているキリン株式会社主催のサッカー教室「KIRINキャンプ」で、1400人を超える応募者の中から選ばれた中学生30人を指導。合宿初日の最後に行われた取材対応でカメラを向けられ、笑顔を求められた指揮官は「歌でも歌いましょうか?でも私は歌が上手くないのでダメですよ」とおどけてみせた。

 合宿は29日までの2日間の日程でピッチ上での練習だけでなく、講義なども行っている。ハリルホジッチ監督はボヌベー・コーチ、モワンヌ・フィジカルコーチ、浜野GKコーチとともに精力的に指導。真剣な表情でアドバイス送る場面もあり「子供たちとトレーニングできることは喜びです。皆、最初は緊張していたけど、素晴らしい態度で練習をしてくれた。日本代表の監督として日本のフットボールにできる限り貢献したい。私の夢は日本でフットボールが第1のスポーツになることです」と語った。

 初日のメニューを終えた指揮官は「何人かの選手はテクニックが素晴らしかった。でも、その選手たちがプロになれるかは別の問題。この年代ではフィジカルもメンタルも大事になる。そのためには能力の高い指導者が必要」とメンタル、フィジカル面に改善の余地があると指摘した。日本代表を指揮する際も常に「日本人は相手をリスペクトしすぎる。欧州に比べてパワー、スピードが足りない」と語っており、レベルは違えど中学年代からも同様の印象を受けたようだ。

 確かに、欧州主要リーグやW杯強豪国の試合を観ると、Jリーグや日本代表とは1対1の激しさ、スピード感などフィジカル、メンタル面での差を感じずにはいられない。なでしこリーグを観た後にJリーグを観る感覚と、Jリーグを観た後にプレミアリーグを観る感覚には近いものさえある。ハリルホジッチ監督の改革が育成年代から浸透して日本が世界の強豪と肩を並べることができた暁には是非とも指揮官の歌声を聞きたい。万が一、本当に音痴でも、その際には偉業を称えて、全力で“ヨイショ”させていただきますので。(木本 新也)

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2015年11月29日のニュース