浦和Ｖ逸　悪夢は繰り返された…第１Ｓ王者が沈黙ＣＳ準決敗退

＜浦和・Ｇ大阪＞準決勝で敗退が決まった武藤と西川（右）がピッチに崩れ落ちる

Ｊリーグ・チャンピオンシップ準決勝 浦和１―３Ｇ大阪

（11月28日 埼玉）
　悪夢は繰り返された。死闘の果てに待っていたのは、ＣＳ準決勝敗退という現実。試合終了と同時に浦和イレブンはうなだれ、その場に立ち尽くした。槙野は「結果が全て。決定力と勝者のメンタリティーが足りなかった」と悔しさを押し殺す。柏木は「普段入っているシュートが入らず、向こうは入った。持っている、持っていない部分もあった」と振り返った。

　悪夢は繰り返された。死闘の果てに待っていたのは、ＣＳ準決勝敗退という現実。試合終了と同時に浦和イレブンはうなだれ、その場に立ち尽くした。槙野は「結果が全て。決定力と勝者のメンタリティーが足りなかった」と悔しさを押し殺す。柏木は「普段入っているシュートが入らず、向こうは入った。持っている、持っていない部分もあった」と振り返った。

　勝敗を分けたのは、ボール１個分のわずかなズレだ。延長後半１３分、相手ＤＦ丹羽のあわやオウンゴールのバックパスはポストを叩き、形勢は逆転。ＧＫ東口から４選手を経由したボールを奪えず、失点した。ボール保持率で上回り、相手より８本多い２３本のシュートを見舞ったが、警戒していた相手のカウンターに屈した。「バックパスで気の緩んだ瞬間にやられた…」と柏木。相手のオウンゴールという誘惑を感じた瞬間から、チームは機能不全に陥り、バックパスから１７秒後に失点した。

　０―１の後半２７分には森脇のシュートがクロスバーにはじかれ、ズラタンの元へ。そのこぼれ球を押し込み、一度はバーに救われた。だが、後半ラストワンプレーの武藤のヘディングシュートはＧＫ東口のセーブに遭い、バーを叩いて延長戦に突入。最後はポストに嫌われて決勝点を献上し、武藤は「敗因は僕が最後に決められなかったこと。紙一重の部分。決めていれば…」と嘆いた。

　昨季は急失速でＧ大阪に逆転優勝を許し、今季は第１ステージ無敗優勝から、まさかのＣＳ準決勝で宿敵に不覚を取った。１２月２６日には神戸との天皇杯準決勝が待つ。天皇杯優勝を逃せば、来季のＡＣＬでもプレーオフ（来年２月９日）に回ることになる。「天皇杯に向けて切り替えるしかない」とＧＫ西川。この敗戦を糧に、再びはい上がるしかない。

　≪浦和の過去のＶ逸≫　

　▼０７年　２位以下に最大勝ち点差１０をつけて首位にいながら、ラスト５試合で３分け２敗と１勝もできずに２位に沈んだ。２位鹿島と勝ち点１差の首位で迎えた最終節では既にＪ２降格が決定している横浜ＦＣに０―１で敗戦。鹿島が勝ち、リーグ連覇を逃した。

　▼１３年　首位に３度も勝ち点差１まで迫ったが、いずれも次の試合で敗れるなど勝負弱さを露呈。最終節のＣ大阪戦まで１３年シーズン初の３連敗を喫し、６位に後退。ＡＣＬ出場権を逃した。ナビスコ杯決勝でも柏に０―１で敗れた。

　▼１４年　残り３試合の段階で優勝に王手をかけながらＧ大阪、鳥栖、名古屋に１分け２敗と１勝もできずにＧ大阪に優勝を譲った。最終節では首位・Ｇ大阪が鳥栖と引き分けたため、名古屋に勝てば優勝が決まったが、１―２の逆転で敗れて２位に。