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G大阪 下克上決勝!延長後半あわや…から藤春決勝弾

[ 2015年11月29日 05:30 ]

延長後半13分、ゴールを決めチームメイトから手荒い祝福をうける藤春

Jリーグ・チャンピオンシップ準決勝 G大阪3―1浦和

(11月28日 埼玉)
 J1の年間優勝を争うチャンピオンシップ(CS)は28日に埼玉スタジアムで行われ、年間勝ち点3位のG大阪が同2位の浦和を延長戦の末、3―1で下した。延長後半13分にDF藤春広輝(27)が自らの誕生日を祝う決勝弾。年間勝ち点1位の広島と争うホーム&アウェーの決勝戦(12月2、5日)でリーグ連覇を目指す。第1ステージ王者の浦和は終始攻め込みながら、カウンターで決勝点を被弾して敗退。年間3位が決まった。

 味方すらあざむく驚きのバックパスが決勝点を生むフェイントとなった。「まさか延長戦であんなプレーをするとは。逆にレッズの選手の集中力をそいだのかも」。G大阪の長谷川監督が苦笑いしたハプニングは延長後半13分に飛び出した。

 左サイドでボールを保持したDF丹羽がGKへ返そうとしてミスキック。浮き球のボールは自陣ゴールへ向かった。誰もが息をのんで行方を見守ったボールは、回転がかかって右ポストを直撃。そしてオウンゴールを期待した相手選手が動きを止めた一瞬をイレブンは見逃さなかった。

 「ポストに当たると思っていた。当たった次のボールに反応しようと考えていた」。こう瞬時に判断したGK東口が送ったパスが呉宰碩(オ・ジェソク)―遠藤へと流れるように展開。最後は米倉の右からのクロスを藤春が利き足とは逆の右足で決めた。

 得点のきっかけが劇的なら、決めたヒーローもこの日が27歳の誕生日だった。試合前、チーム関係者には左足以外でゴールを決めると宣言。特に根拠もなかった自信が最後に現実になった。「レッズには負けられないという気持ちだった。最高のバースデーです」。日本代表の左サイドバックは喜びを爆発させた。

 無欲の勝利だ。最終節の山形戦(22日、万博)に4―0で圧勝し、土壇場で年間3位に滑り込んだだけに、CSに向けての準備は進んでいなかった。準決勝に延長戦とPK戦まであることを知らず、試合に向けた準備段階では90分で引き分けなら年間勝ち点で上位の浦和が勝ち上がり、即敗退と勘違いする選手が続出。しかも年間2位の浦和とは勝ち点9も離されていた。負けて当然、勝てばもうけものの一戦は、緊張感とは無縁のリラックスムードで迎えた。

 それでも頂点が見える位置まで来た今は、さすがに欲が出てきたはず。来月2日に万博、5日に敵地で戦う2戦合計の決勝で広島に勝てばリーグ連覇が決まる。「連戦は慣れている。3連戦ぐらいは大丈夫」と指揮官も自信を口にする。実力に加え、ツキも出てきたガンバが勢いのままに下克上ストーリーを完成させる。

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