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ドイツの強さは“環境”「クラブチームで戦っているようなもの」

[ 2014年7月9日 15:40 ]

<ブラジル・ドイツ>前半26分、4点目のゴールを決めたクロース(中央)はケディラ(左)に抱き上げられる。右はクローゼ(AP)

W杯準決勝 ドイツ7―1ブラジル

(7月8日 ベロオリゾンテ)
 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で4強に残ったチームは、どこが優勝してもおかしくない強豪国ばかり。だが、その準決勝でホスト国ブラジルに7―1で圧勝したドイツの強さはどこにあったのか。スポニチ本紙評論家の川本治氏(62)は、安定した守備と自国リーグでプレーする選手の多さを指摘した。

 「今大会は、どのチームもGKを含めた守備力が目立った大会になっている。ドイツもGKノイアー(28=バイエルンM)を含めチームの守備力が高く、攻守の切り替えも早い。カウンター攻撃が徹底していた」と川本氏は言う。

 そして、自国ドイツの1部リーグ、ブンデス・リーガで2連覇を果たしたバイエルンMの選手が主力に多く、ブラジル戦で先発したメンバーにはバイエルンM所属の選手が6人もいること、DFラインに限って言えばバイエルンM所属が2人で、その他の2人もドルトムント、シャルケといずれもブンデスリーガで戦っている選手であることを指摘。そのことが「大きかった」と振り返り、「クラブチームでW杯を戦っているようなもの。監督さんもやりやすかったのではないかと思う」と代表チームを取り巻く環境の良さを勝因に挙げた。

 「ドイツの素晴らしさは、このタイトな日程、しかもW杯の準決勝という大きな舞台でこれだけ素晴らしい試合をしたこと。36歳のクローゼを準々決勝に続いて先発させたことは正直びっくりしたが、結果に結びつけた。54歳のレーブ監督はイケメンだと話題になったが、指揮官としてもやはりなかなかやるなという印象を受けた」。

 ドイツの決勝進出は決まった。決勝の相手は日本時間10日早朝に行われるオランダ―アルゼンチン戦の勝者となるが、「オランダもいいチームだが、出来たらここはブラジルの仇を打つ意味でアルゼンチンに勝ってもらって、欧州チーム対南米チームという決勝が見たい」と川本氏。「南米でのW杯で、決勝戦が欧州チーム対欧州チームというのでは、寂しい気がする」と付け加えた。

 ◇川本 治(かわもと・おさむ)1952年(昭27)5月1日、北海道釧路市生まれの62歳。室蘭清水ヶ丘高校2年までGKを務め、中央大進学後以降はFWに転向。古河電工(現J2千葉)では9シーズンに渡ってプレーし、引退後はコーチ、監督、強化部長など要職を歴任した。現在は日本代表戦のほか、カテゴリーを問わずスタジアムに数多く足を運び、誠実な人柄で選手や関係者からの信頼も厚い。

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2014年7月9日のニュース