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ディステファノ氏追悼白星を!メッシ 母国英雄に誓う決勝進出

[ 2014年7月9日 05:30 ]

W杯準決勝に備え調整するアルゼンチン代表FWメッシ(手前)(AP)

 アルゼンチン代表のFWリオネル・メッシ(27=バルセロナ)が偉大な先輩に白星をささげる。9日(日本時間10日午前5時)にW杯準決勝でオランダと対戦。7日にアルゼンチン出身の伝説的なFW、アルフレド・ディステファノ氏(Rマドリード名誉会長)が88歳で死去した。代表OBへの哀悼の意を胸に、メッシがチームを90年イタリア大会以来24年ぶりの決勝に導く。

【アルゼンチン代表 メンバー 決勝T】

 世界中を駆け巡った伝説的選手の訃報は、メッシにとっても大きな悲しみだった。ディステファノ氏は47年にアルゼンチン代表として南米選手権を制覇。その大先輩からマラドーナ氏らを経てエースの座を引き継いだ背番号10は、フェイスブックに追悼文を記した。

 「世界はレジェンドを失った。プレーだけでなく、ピッチ外でも素晴らしい人だった」

 メッシにとって、ディステファノ氏は心強いサポーターだった。代表ではバルセロナほど活躍できず批判を浴びていた時代から、高く評価し応援してくれた。同氏は11年にアルゼンチン協会誌で「メッシは代表主将としての資質を全て備えている。闘志あふれる気質と計り知れない才能がある」と、批判もあったサベジャ監督の主将指名を支持。理由として「メッシはまだ伸びる。同僚からリスペクトされている彼が主将を務めればチームの一体感は高まるだろう」と語った。その“予言”は的中。今大会は主将のメッシを中心に結束し24年ぶりの4強進出を果たした。

 メッシはバルセロナで今年2月、リーグ通算得点で歴代4位だったディステファノ氏の記録(227)を超えた。11年にはチームを16連勝に導き、同氏を擁したRマドリードのリーグ記録を50季ぶりに塗り替えて、Aマドリードのフローレス監督(当時)から「21世紀のディステファノ」という最高の褒め言葉を得た。同氏の名を冠したスペインリーグMVP「ディステファノ杯」を09~11年に3季連続で受賞。09年の授賞式には同氏とマラドーナ氏が駆けつけ、さながらアルゼンチンの“エース継承式”のようだった。

 同僚のFWイグアインもディステファノ氏の薫陶を受けた一人。07~13年に所属したRマドリード時代に「君には才能がある。頑張りなさい」と励まされ自信になったことを明かした。メッシ、イグアイン、チームの思いは一つ。オランダに勝って、天国の先輩に追悼の白星を贈ることだけだ。

 ▽アルフレド・ディステファノ 1926年7月4日、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。43年に17歳で地元の名門リバープレートでプロデビュー。ミジョナリオス(コロンビア)などを経て53~64年にRマドリードでプレーし、欧州チャンピオンズ杯(現欧州CL)5連覇、リーグ優勝8回など黄金期を支えた。57、59年にバロンドール(欧州最優秀選手)を獲得。代表は国籍を変更してコロンビア、スペインでもプレーしたがW杯出場はなかった。愛称は「金髪の矢」。

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