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遠藤が原点回帰 鹿実時代に留学「思い出の地」で恩師と再会

[ 2014年6月10日 09:25 ]

ミニゲームでパスを出す遠藤

 原点の地に帰ってきた。日本代表がブラジル入り後初めて練習を行ったサンパウロ州ソロカバ市内のスタジアムは、遠藤にとって忘れられない場所だった。鹿児島実時代に約1カ月間、同地に短期留学。高校2年時にECサンベントの練習に参加した17年前の日々を思い出しながら、チーム最年長のキーマンは精力的に汗を流した。

 「思い出の地だし、ここでやれることがうれしい。サッカーへの思いや厳しさが高いものになったし、勉強になった。10何年たっても、そのときの経験は大きい」。初めてプロの練習に加わったサッカー王国で、甘さのあった意識が一変したという。その変化を敏感に感じ取っていたのが、94年から16年間にわたって鹿児島実でコーチを務め、同校に科学的なフィジカルトレーニングを持ち込んだジョゼ・カルロス氏(56)だ。遠藤にとって恩師と呼べる存在で、8日、日本代表の激励に駆けつけ「遠藤は(チームが)悪い場面で厳しくない。でも、ブラジルに行って気持ちが変わった」と当時を振り返った。

 怖がっていたヘディングの場面では、留学を機に競り合いに飛び込むようになった。その後はカルロス氏のもとで積極的に体力面も強化。高校3年時にクーパー走(12分間走)で叩き出した約3700メートルの数値はチームでダントツだった。

 34歳となった今も、日本サッカー界の最前線でプレーし続ける背番号7。恩師との再会に感慨に浸りながらも、すぐに表情を引き締めた。「練習から、いい緊張感と高いモチベーションでやっていけたら。最高の準備をして初戦を迎えたい」。3大会連続出場となるW杯。プロになる出発点となった場所から戦いに挑む。

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