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残留争い二転三転…最後に泣いたブラックプール

[ 2011年5月24日 06:00 ]

イングランド・プレミアリーグ最終節 マンチェスターU4―2ブラックプール

(5月22日 マンチェスター)
 イングランド・プレミアリーグ最終節が22日に行われ、昇格1年目のブラックプールはアウェーでマンチェスター・ユナイテッドに2―4で敗れ、来季の2部降格が決まった。攻撃的なスタイルで注目されたが、守備陣の不調で失速した今季を象徴するかのような展開で逆転負け。降格の損失が7500万ポンド(約100億円)とも報じられる中、5チームによる激しい残留争いで明暗が分かれた。

 悔やみきれない失点となった。2―2の後半29分だ。左サイドからのクロスをDFエバットが右足でクリアしようとしたが、方向が変わったボールは無情にもゴールへ。勝ち越しを許したブラックプールは二度と降格圏から浮上できなかった。

 「リードを奪った時は“これならいける”と信じ始めたが…」とホロウェイ監督が振り返った。

 同時刻開催の最終節。各会場の試合経過によって刻一刻と順位が入れ替わる中、一度は降格圏から脱出した。先制されながら前半40分にMFアダムのFK弾で追いついて16位に浮上。後半12分には速攻で勝ち越し、残留へ前進したかに見えた。

 既に優勝を決めていた王者は28日に欧州CL決勝バルセロナ戦を控えて主力の先発起用を4人に抑える温存策。ブラックプールが“追い風”を利用して一度は逆転した。しかし、ここからリーグ最多失点の課題が露呈。勝ち越しから5分後にMFアンデルソンをフリーにして簡単に追いつかれ、オウンゴールで決勝点を献上すると力尽きた。

 初代バロンドール(当時欧州最優秀選手)の名手スタンリー・マシューズらを輩出し、53年にはFA杯を制した古豪。40季ぶりのトップリーグ昇格となった今季はプレミア最低の年俸総額1300万ポンド(約17億円)ながら開幕4戦で4位につけるなど好発進すると、積極的な攻撃サッカーでリバプールから2勝を挙げるなど番狂わせを演じて称賛を浴びた。後半戦は薄い選手層が響いて失速したが、この日の試合後には敵将ファーガソン監督がブラックプールの選手を握手でねぎらい「攻撃的で魅力的なサッカーだった。降格はリーグの損失」と称えたほど。満員の敵地で健闘を称える拍手が止まらなかった。

 「今季ほどのチームをつくるには長い時間がかかるだろう」とホロウェイ監督。プレミアを沸かせた異色クラブが、わずか1年で舞台から去った。

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2011年5月24日のニュース