オシム氏辛口「１つ勝てばサプライズ」

Ｗ杯南アフリカ大会の１次リーグ組み合わせ抽選結果を受け、質問に答える前日本代表監督のイビチャ・オシム氏

　【Ｗ杯１次リーグ組み合わせ決定】ＣＳ放送スカパー！で組み合わせ抽選会のテレビ解説を務めた前日本代表監督のイビチャ・オシム氏（６８）は、日本の対戦相手について「どの国も楽ではない。自分自身をいかにだまして、勝つというムードをつくるかが大事。１つ勝ってもサプライズと言える組み合わせ」と厳しい見方を示した。

　その一方で、攻略法もイメージできていた。オランダ、デンマークとも体格で日本に勝るが、そこがチャンスとみている。「大きいチームは小さくてアグレッシブなチームが苦手。スイスに勝った経験を思い出した方がいい。ボールを速く動かした時間はスイスに何もさせなかった」。自身が指揮を執っていた０７年９月、４―３で逆転勝ちした試合を“お手本”に挙げた。カメルーンには０７年８月に２―０で快勝した。「エトオはいるが、阿部、中沢、闘莉王で封じ込めた。彼らを恐れる必要はない」。組織的な守備があれば、身体能力の高い選手も抑えられると考えている。

　０７年１１月に急性脳梗塞（こうそく）で倒れたため志半ばで退任したが、日本代表への愛着は変わらない。「オランダはともかく、カメルーン、デンマークより弱いとは言えない。選手たちには“自分の力を信じろ”と言いたい」と教え子に向け、激励の言葉を送った。