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異色のJリーガー岩政 24時間サッカーが頭から離れない

[ 2009年12月6日 11:38 ]

 数学の教員資格を持つ異色のJリーガー、鹿島のDF岩政大樹。「サッカーは低い確率でしか点が入らないスポーツ。確率論から言って(シーズン)34試合のうち何試合かは先制して、先制される試合も出てくる」。理路整然と語る。

 兄の影響で始めたサッカー。ただ、プロになることなどまったく頭になかったという。両親ともに小学校の先生。山口県の進学校、岩国高から東京学芸大へ進み、自身も将来は先生になるものだと考えていた。
 転機は大学1年の冬だった。高校まで全国の舞台とは縁がなかった選手が大学選抜に選ばれた。「うまい人はたくさんいたが、対等以上にできるものがあった。ヘディングは全国でも通用する」。得意の分野を磨き続けた。大学卒業時には、数クラブから声が掛かるまでになっていた。
 鹿島幹部の岩政評は「客観的に自らを見詰められる選手」。課題と向き合い、着実に力を伸ばした。プロ6年目の今季、新しく取り組んでいるテーマは「日本人らしい動き方」。狂言の舞台に自ら立ち、力士の動きに目を凝らす。宮本武蔵の「五輪書」にもヒントを求めた。世界で戦う姿をイメージし「日本人の持つ潜在能力をどう引き出すか」を考え続けた。
 ことし8月、念願の日本代表復帰も果たした。24時間、サッカーが頭から離れない生活。ほっとする時間は? 「じいちゃん、ばあちゃんと話しているとき」。生まれ育った瀬戸内海の周防大島で祖父母と再会する日を楽しみにしている。

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2009年12月6日のニュース