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痛恨のO・G…OA枠27歳藤春、後悔の涙「覚えてない」

[ 2016年8月9日 05:30 ]

コロンビア戦の後半、藤春のオウンゴールで2点目を失う

リオ五輪男子サッカー・1次リーグB組 日本2―2コロンビア

(8月7日 ブラジル・マナウス)
 涙が止まらなかった。試合後、痛恨のオウンゴールを犯したリオ五輪日本代表DF藤春は、目を真っ赤にしたまま報道陣の前に現れた。「(クリアを)迷ったのか?」と問いかけられると「そうっすね…」と言葉を詰まらせた。「覚えてないぐらいの感じで、クリアしようと思ったときには足に当たっていて…」。オーバーエージ枠の左サイドバックが、ショックを隠しきれず泣いた。

 信じられない光景だった。後半14分に先制され、0―1で迎えた同20分だった。自陣深くに攻め込まれ、コロンビアのシュートをGK中村が足で止めたボールは藤春のもとへ。利き足とは逆の右足の前に転がると、一瞬のためらいが中途半端なクリアになる。ゴールへ向かうボールをDF植田が必死でクリアしたが、これがゴールラインを割っていると判定されて失点に…。逆転が遠のき、ぼう然とした藤春は前半34分にも決定機でヘディングシュートを外すなど攻守に精彩を欠いた。

 1点差を覆すプランを描いていた手倉森監督も「オウンゴールがなければひっくり返っていたゲーム」と計算が狂ったことを認めた。ナイジェリアとの初戦で5失点。中2日で迎えたこの日は球際の強さを意識し、高い位置でボールを奪う積極的な守備も披露した。だが、終わってみれば自滅も含めて2失点。2戦6得点の攻撃陣とは対照的に2戦7失点と守れない弱さをまたも露呈した。

 勝ち点1を得て決勝トーナメント進出の可能性は残したものの、依然として突破への道のりは険しい。スウェーデン戦に負ければ無条件で敗退が決まり、勝っても他力に頼らざるを得ない。「みんなが最後まで戦ってくれて、まだ望みがある。この借りを返せるプレーをできれば」と藤春。悔しさを晴らす舞台は残されている。

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2016年8月9日のニュース