×

池江璃花子 泳ぐたび進化「満足度90パーセント超え」日本新6位

[ 2016年8月9日 05:30 ]

<リオ五輪  水泳>女子100mバタフライで日本新記録をマークし、6位に入った池江

 女子100メートルバタフライ決勝が7日に行われ、池江璃花子(16=ルネサンス亀戸)が56秒86で6位入賞した。予選、準決勝で日本記録を塗り替え、決勝は日本女子で初めて57秒の壁を突破。3位とは0秒23差で、金メダルを目指す4年後の東京五輪と今大会の残り5種目に弾みをつけた。男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(21=東洋大)は男子200メートル自由形準決勝で1分45秒45をマークし、全体2位で決勝に進んだ。

 池江が底力を見せつけた。予選で4月にマークした57秒55の日本記録を0秒28縮め、準決勝でさらに0秒22短縮。決勝は50メートルを7位で折り返して上位に迫ったが、ほぼ横並びでゴール板にタッチして6位だった。メダルにはわずかに届かなかったが、日本記録3連発で57秒の壁を破ると「満足度は(100%中)90は超えると思います」と頬を緩めた。

 昨秋から筋力トレでスピードがついた。6月に100メートル自由形、7月も50メートルバタフライで日本新記録。「筋肉が増えた」という体は村上コーチによれば、昨年から体重が3キロ増え、これまでで最も重い60キロ。女子は体脂肪率20%近い選手もいる中、12%前後を推移する筋肉質だ。両手を広げて1メートル84の長いリーチとパワーが原動力である。

 記録が伸び始めた昨年12月。国内合宿でほかの選手にふてくされた態度を間接的に注意された。タイムが悪いと自身に腹が立ち、表情が他人にはよく映らなかった。15歳だった池江はその状況から逃げるのではなく、解決策を求めて村上コーチに相談。するとコーチから「選手が好印象に見える行動(応援してもらえる選手)」と題した10カ条のメモを渡された。

 (1)全ての人に対して笑顔や良い態度であいさつができる選手(6)ネガティブな選手に対してポジティブなアドバイスができる選手(7)練習で苦しい時やつらい時ほど笑顔で取り組む態度や行動ができる選手、など礼儀や物事の捉え方を身につけた。

 遠征先で荷物を片付ける時も行動が早く、初五輪でもコーチが「凄く落ち着いている。もっとツンツンしてほしいぐらい」と物足りなさを感じるほど冷静だ。この日は15年世界ジュニア選手権では勝った同じ16歳のカナダ選手が銀メダルを獲得。東京五輪へライバルが出現し「メダルは絶対に獲る自信をつけて、金メダルを獲る精神力を備えていきたい」と力強かった。今大会は残り5種目。まだ成長は止めない。

 ▽今大会の女子100メートルバタフライ以外の日本記録 女子400メートルリレーで日本チームは3分36秒74。男子400メートル個人メドレーで萩野公介が4分6秒05。男子100メートル自由形で中村克が47秒99

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月9日のニュース