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【中村真衣の目】日本の良い流れストップ…欲しい“北島康介”的な存在

[ 2016年8月9日 13:50 ]

<競泳・男子200M自由形決勝>7位に終わった萩野

リオデジャネイロ五輪競泳

(8月8日)
 競泳はこの2日間の流れがストップする残念な結果になってしまいました。

 萩野は400メートル個人メドレーで金メダルを獲得し、気持ち的にも乗っていたと思います。ですが、200メートル自由形の決勝では守りに入り過ぎた。本人にとって得意のレースで、ラスト50メートルで上げていくはずが、思っていた以上に上がらず、そのまま7位。最初の50メートルでは先頭グループにいたのですが、中間の100メートルで落ちてしまい、優勝した孫楊(中国)や2位のレクロー(南アフリカ)とあれだけ差が開いては、さすがの萩野でも追い上げることができませんでした。

 決して調子が悪かったわけではありません。ただ、400メートル個人メドレーで作戦通りにレースができたことで、自由形もイメージ通りにできると思ったのではないでしょうか。それが、そう簡単にはいかなかった、ということだと思います。調子がいい時ほど積極的なレースをしないと結果に結びつかないものなんです。

 背泳ぎの入江は200メートルが彼のメーン種目なので、今回の100メートルに対して本人の気持ちがどうなのかは分かりません。でも、7位と自信に欠ける結果に終わってしまい、得意の200メートルへの影響が心配されます。100メートルでメダル、もしくはせめて4位などであれば、200メートルのレースに自信を持って臨めるのですが…。ここでしっかり気持ちを切り替えないと、200メートルでも同じような結果に終わってしまう怖さがありますね。

 3日目が終わって、競泳チーム全体として停滞してきたことが気になります。誰かがここで流れを変えてくれないと“惜しいレース”が続いてしまう可能性があります。ちょっと辛口になってしまいますが、五輪3度目の入江ですらまだムラがある。今の選手に求めるのは酷かもしれませんが、どんな状況でも期待に応える北島康介のような存在がまだいないんです。

 でも、あしたの男子800メートルリレーや男子200メートルバタフライで瀬戸や坂井がメダルに絡んでくれば流れも変わります。期待しましょう。(00年シドニー五輪女子100メートル背泳ぎ銀メダル)

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2016年8月9日のニュース