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流れ引き寄せた日本 最後は得意の床運動 ライバルの闘争心を削ぐ

[ 2016年8月9日 11:38 ]

<体操>金メダルを決め、No1ポーズをとる(左から)山室、田中、内村、加藤、白井ら体男子日本代表

リオデジャネイロ五輪体操・男子団体総合決勝

(8月8日 リオ五輪アリーナ)
 【立花泰則の目】日本は跳馬で流れを変え、平行棒でその流れをたぐり寄せて、最後に床運動で金メダルを射止めた。

 最初のあん馬で内村が完璧な演技を見せてスタートしたが、山室の落下で流れに乗れず、2種目目のつり輪でも伸び悩んで、重い雰囲気が漂った。

 迎えた3種目目の跳馬の1番手、加藤が流れを変えた。演技の出来栄えを示すEスコアで9・000の高得点をマーク。内村がEスコア9・366、白井がEスコア9・633で続いた。ここまでの3種目で、ライバルの中国には大過失が重なり、試合の流れは日本に向けて動きだした。

 このいい流れを受け継いだのが、平行棒。田中、加藤がピタリと着地を決め、流れをたぐり寄せて2位に浮上した。ロシアを射程にとらえたこの時点で、日本には鉄棒、床運動と得意種目が残っていた。

 予選で4位になったことで、最終種目が鉄棒ではなく、床運動になったが、結果的に、日本が自信を持つ床運動が最後だったのは、よかったと思う。特に1番手の白井の16・133点で、ロシア、中国は日本を抜けないと思ったはずだ。最終演技者で金メダルを射止めた内村の演技も、素晴らしかった。

 今回のチームの特長は技術の高さ、実施のよさに、技の修正力を兼ね備えていたことだろう。予選のミスをしっかりと決勝で修正し、ミスを最低限にとどめて我慢して演技ができた。それも、金メダルを奪回できた要因だった。(2012年ロンドン五輪男子日本代表監督)

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2016年8月9日のニュース