【競輪選手×ダーツプロ特別対談(2)】ダーツも“地元3割増し” 賞金1000万円の世界大会も!

[ 2024年5月24日 19:00 ]

ダーツマシンの前でポーズを取る佐藤龍二(左)と金子拓輝
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 【「競輪×ダーツ」前代未聞のプロ特別対談(2)】今ひそかに競輪界でブームとなっているダーツ。そんなブームを作った“競輪ダーツ部”の部長・佐藤龍二(35)とトッププロダーツプレイヤー・金子拓輝(29)の対談が実現。第2回は両競技の可能性や目標を語り合う。(企画・構成=渡辺 雄人)

 
 ――プロスポーツとして、競技人口はどれくらいでしょうか。

 佐藤 ダーツも競輪も変わらないと思いますよ。

 金子 プロとしての認知度はダーツの方が全然低いと思います。“プロ選手がいるんだ”という意見が多いと思う。プロ選手の数は僕が所属しているJAPANで1500人くらい。もう1つの団体を合わせれば3000人はいると思う。

 佐藤 競輪選手より多いですね。僕らは2300人くらいなので。

 金子 でも、まだちょっと認知度が低い。

 ――どちらも全国でレース、試合をする。

 佐藤 地元開催という感覚はありますか?。僕はめちゃくちゃある。いつも練習しているバンクだと気持ちが高まる。

 金子 僕も地元だと気合はめちゃくちゃ入ります。

 佐藤 競輪には“地元3割増し”という言葉もある。でも、アドバンテージもあるけど、プレッシャーもありますけどね。勝たなきゃという。

 金子 確かに負けたくない、負けられないという気持ちからプレッシャーも3割増しですね。

 佐藤 これも聞きたかったんですけど、最終目標は何ですか。僕は年末にある賞金1億円のレース、グランプリを獲りたい。

 金子 い、1億円ですか…。すげぇ~。

 佐藤 それを獲るのが目標。今はそのレベルにいない。だけど、それを目標にしなくなったら、選手としての成長曲線は下降かなと。周りに何と言われようと関係ない。

 金子 凄いです。

 佐藤 金子さんはどうですか。

 金子 SUPER DARTS(※)で優勝したいというのが1番。世界一の大会なので。ただ、僕も今そのレベルにはいない。まずは今参加しているJAPANツアーで1回優勝したい。

 佐藤 ダーツの大会って賞金はどれくらいなんですか。

 金子 SUPER DARTSの優勝賞金が1000万円。年間18戦あるJAPANの優勝が120万円です。

 佐藤 世界一だと規模が凄いですね。

 ――両競技とも、もっともっと盛り上がる可能性があると思います。

 金子 シンプルに“ダーツっておもしろいよ”ってもっと伝えたいですね。やってみてって。絶対楽しいので。

 佐藤 お酒とセットなイメージもありますよね。

 金子 全然、お酒を飲まなくてもダーツはできる。ダーツバーでもお酒を飲まなきゃいけないことはない。ソフトドリンクで全く問題ない。1人でも多くダーツに触れてほしい。それがプロとして本望。競輪はどうですか。

 佐藤 競輪は一緒にできることがないので…。僕らは車券を買ってもらうのがメイン。

 金子 確かにファンとの距離感が違いますね。ダーツは一緒にできるし、かなり近い。

 佐藤 でも、僕は競輪選手の中でもファンと近い方だと思いますけどね。SNSとかたまに燃えるし(笑い)。

 金子 ハハハ。SNSは広まりやすいですからね。

 佐藤 今、自分の立場を考えた時、どっちも盛り上げられるかもと思ったんですよ。この対談を見てどちらかのファンがもう片方に触れてくれたら最高。さらに、ダーツのプロライセンスを早く取りたい。競輪でS級にいられる間に。ダーツと競輪、二刀流でやりたいんです。理想は年内!

 金子 それができたら本当に凄いですよ。JAPANで対戦する日を夢見ています!

 佐藤 頑張ります!
 =おわり=

 (※)1年に1度行われるソフトダーツ世界一を決める大会。

 ◇佐藤 龍二(さとう・りゅうじ)1988年(昭63)6月25日生まれ、神奈川県出身の35歳。08年7月に小田原競輪場でプロデビュー。通算成績は1325戦290勝。12年から競輪の最上位クラス、S級で戦っている。多趣味で車、バイク、ゴルフなどもたしなむ。1メートル81、100キロ。血液型B。

 ◇金子 拓輝(かねこ・ひろき)1994年(平6)11月15日生まれ、新潟県出身の29歳。JOKER DRIVER所属。18歳の時に友人と行ったゲームセンターでダーツにハマる。19年にプロライセンスを取得し、22年の6月にプロデビュー。いきなりベスト16位入りを果たした。23年は年間ランキング30位。今年24年は3戦を終えて17位。1メートル78、90キロ。血液型A。

 ▽ダーツ ダーツボードにダーツ(矢)を投げて、刺さったところで点数を競う競技。発祥はイギリス。矢先が金属のハードダーツとプラスチックのソフトダーツがある。この2つでボードの大きさ、距離が違う。日本ではソフトダーツが主流。主な遊び方は点数を減らし、ぴったり0点にする01(ゼロワン)。決まったナンバーの陣地を取り合うクリケットがある。日本におけるプロ団体はJAPANとPERFECTの2団体。ツアーとして1年間かけて北海道から沖縄までを会場とし戦う。プロになるには実技試験と、ルールなどを問われる学科試験がある。

 ▽競輪ダーツ部 佐藤龍二が立ち上げた、ダーツが好きな競輪選手のグループ。佐藤や神奈川の若手らを中心に活動中。メンバーの渡辺颯太(28=静岡・109期)はダーツのプロライセンスを保持している。また、昨年のGP覇者・松浦悠士(33=広島・98期)も金子拓輝が所属しているJOKER DRIVERのマイダーツを購入し入部した。

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