【福島新馬戦】サイブレーカー 遺伝子は長距離型、米国産ダート血統も“自信”の芝2000デビュー

[ 2022年7月5日 05:30 ]

Road to classic 2023

サイブレーカー(撮影・西川祐介)
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 先週からローカル3場開催となり本格的な夏競馬シーズンに突入。各地で期待の2歳馬が次々と勝ち上がっている。今週は日曜福島(10日)で世代初の芝2000メートル戦が行われる。注目はサイブレーカー(牡=武井)。米国産のアンクルモー産駒だが、陣営は芝向きとのジャッジ。稽古の動きも上々。海を渡ってきた秘密兵器が、みちのくのターフでベールを脱ぐ。

 サイブレーカーは昨年の米キーンランド・セプテンバーセールで40万ドル(当時のレートで約4400万円)で落札。武井師自ら現地に足を運んで選んだ馬だけに思い入れは深い。父アンクルモーは10年にデビュー無傷3連勝でBCジュベナイルを制覇。同年の米最優秀2歳牡馬に選出された。種牡馬としても16年ケンタッキーダービーを制したナイキスト、今年のベルモントSを勝ったモードニゴールなどの活躍馬を送り出している。

 いわゆる“バリバリのダート血統”だが、武井師は「オーナーから“芝向きの馬を探してほしい”と指示を受けて選んだ馬」と語る。米国産馬といえば筋骨隆々のイメージ。500キロ超の大型馬も少なくないが、本馬は420キロ前後とコンパクトなつくりだ。指揮官は「小柄なのが唯一の心配」とした上で「体の使い方がうまくてバネもある。気性も前向きで、かつ真面目な性格。小柄な点を除けば文句なしです」と胸を張る。スピード優位の配合だが、遺伝子検査では「長距離型」との診断。2000メートルでのデビューを選択した。

 所有するTNレーシングは今年から参入した新規馬主。6月19日の東京新馬戦で、同じ武井厩舎が管理するモルチャン(牝、父ヘニーヒューズ)が、10番人気の低評価を覆しデビュー勝ち。馬主としてJRA初出走初勝利の快挙を成し遂げた。「“持ってる”オーナーですからね。そういう面にもあやかりたい」。師はオーナーの強運と勢いにも期待を寄せる。

 中央でデビューした父の産駒はこれまで24頭で、ハリケーンバローズの4勝が最高成績。目立った活躍馬は出せていないが、サンプル数も少なく、それだけ未知の魅力も大きい。米国産らしからぬコンパクトな馬体がターフで弾むか。注目の初陣だ。

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2022年7月5日のニュース