【フェブラリーS】ダート界世代交代だ!4歳カフェファラオ 強気先行策でG1初制覇

[ 2021年2月22日 05:30 ]

フェブラリーSを制したルメール騎乗のカフェファラオ(右)(撮影・西川 祐介)
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 堂々の王位継承だ。今年のG1開幕戦「第38回フェブラリーS」が21日、東京競馬場で行われ、1番人気カフェファラオ(牡4=堀)がG1制覇。1分34秒4の好時計で米3冠馬の父アメリカンファラオにJRA・G1初勝利をプレゼントした。また、鞍上のクリストフ・ルメール(41)は昨年のモズアスコットに続く2連覇となった。

 うららかな日差しが降り注ぐ東京競馬場に世代交代を告げる風が吹き抜ける。好位から堂々と抜け出したのは明け4歳のカフェファラオ。誰もが認める素質が花開く瞬間だった。ルメールは「今日は本当のカフェファラオを見せられました。冬毛があった前走(チャンピオンズC6着)より状態も凄く良かったですね」。中団から破壊力十分の決め手を使った昨年のモズアスコットとは勝ち方が異なるが、今年も最初のG1お立ち台はルメールだった。

 堀師が「個人的なレースプランはあったけど(ルメールには)あえて伝えなかった」と話した大一番。中団待機の近走から一転、積極的に好位3番手を確保した。道中はルメールが軽く促しながらの追走。直線ではまずワイドファラオをかわし、右ムチ2発でエアアルマスを抜き去る。その後はなだれ込むエアスピネル以下を3/4馬身封じ込めた。前半5F58秒5のハイペースの中、強気の先行策。しかし、堀師は「私の考えていた方向だった」。言葉はなくとも名手と名指揮官のVイメージは通じていた。

 求めるレベルは高い。完勝劇にも見えたが、師は「まだ“しっくり来ていないな”という走り。騎手がうまく乗ってくれたが、馬が自ら喜んで走っている状態ではない」と説明。この日は集中力を高める馬具・チークピーシーズを着用し、ルメールも勝因の一つに挙げた。クロス鼻革も効果を発揮した。それでも指揮官は「馬具は対症療法でしかなく根本的にこれから向き合っていかなければいけない。こういう血統で将来は種牡馬ということも踏まえると、そういう癖があってはいけない」と今後の改善点に言及。父は米国の名種牡馬アメリカンファラオ。その血を継ぐ責任を胸に戦っていく。

 馬体重10キロ増は明るい材料だ。師は「なかなか体が増えない馬でしたが、この中間は調教をしながら増えた」と馬体の成長には目を細める。具体的な次走名は挙げなかったが賞金加算で選択肢は広がった。「最後だけは(本気で)走ってくれたなと。“やれやれ”という感じでした」。ラスト100メートルで見せた集中力こそが真のカフェファラオ。無限の可能性を秘める新王者の誕生だ。

 ◆カフェファラオ 父アメリカンファラオ 母メアリズフォリーズ(母の父モアザンレディ)17年3月3日生まれ 牡4歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・西川光一氏 生産者・米国ポール・P・ポンパ 戦績7戦5勝(重賞3勝目) 総獲得賞金2億180万9000円 馬名の由来は冠名+父名。

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