【ホープフルS】ダノンザキッド 無傷V3でクラシック主役に名乗り!師匠・安田隆師との初G1に川田涙

[ 2020年12月27日 05:30 ]

ホープフルSを制したダノンザキッド(左手前)(撮影・郡司 修)
Photo By スポニチ

 2歳G1「第37回ホープフルS」が26日、中山競馬場で行われ、1番人気ダノンザキッド(牡=安田隆)が快勝。無敗の3冠馬コントレイルと同じ道程で3戦3勝の頂点に立ち、クラシックの主役に名乗りを上げた。川田将雅(35)は先週の朝日杯FS(グレナディアガーズ)に続く2歳牡馬によるG1連勝。師匠である安田隆行師(67)とのコンビでは初G1制覇となった。暮れの名物「第143回中山大障害」は1番人気メイショウダッサイ(牡7=飯田祐)がV。森一馬(27)とともにJ・G1初制覇を決めた。

 めったに感情を表に出さないはずの川田が目にいっぱいの涙を浮かべた。「やっとG1タイトルを師匠とともに獲れた。先生には迷惑ばかりかけてきましたので…。それが一番うれしく思います」。思わず声が詰まる。ダノンザキッドが新年の主役であることを満天下に示した一戦は川田にとって忘れられない1勝となった。

 楽な勝利ではなかった。好スタートを決め、4番手付近を追走も折り合いに苦労した。3角からは逆手前(軸脚)で走り続け、4角を迎える前に川田の手が動いた。それでも直線を向いてサッと先頭に立つ。残り150メートルで、いったんはインのオーソクレースに前に出られたが、残り50メートルで先頭を奪い返してねじ伏せた。

 「スムーズではないのに勝ち切れる。能力の差を感じました。今日勝ってくれたことをありがたく思います」。新馬、東スポ杯2歳S、ホープフルSを無傷3連勝の道のりは、無敗の3冠馬コントレイルと同じ道。苦境をはね返して勝ったことに川田は心を打たれた。

 安田隆師も笑顔だ。「気分は最高。僕の弟子ですが(コンビでのG1制覇は)これまで達成できなかった。本当にうれしい」。川田をデビューから2年間、面倒を見た。今回がJRA・G1・10度目の師弟コンビでの出走。今年のスプリンターズS2着(ダノンスマッシュ)が最高だったが、ついに頂点に手が届いた。

 新年はクラシックの絶対的主役となる。皐月賞(4月18日、中山)へ直行するか、一叩きするかは未定だ。「新しい課題が見つかりながらだが、素晴らしい結果を得てくれた。改善しながら来年はよりいい競馬ができるよう歩んでいきたい」(川田)。課題がある分、伸びしろも大きい。キッドが大人へと成長するその時が待ち遠しい。

 ◆ダノンザキッド 父ジャスタウェイ 母エピックラヴ(母の父ダンシリ)18年1月29日生まれ 牡2歳 栗東・安田隆厩舎所属 馬主・ダノックス 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦3勝(重賞2勝) 総獲得賞金1億1144万2000円。馬名の由来は冠名+人名愛称。

続きを表示

この記事のフォト

2020年12月27日のニュース