【カペラS】菜七子 日本人女性騎手初JRA重賞勝った!キッキング連覇で100勝王手

[ 2019年12月9日 05:30 ]

<カペラS>コパノキッキングで中央競馬の重賞レース初制覇を果たし、記念撮影を前に笑顔を見せる藤田菜七子
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 JRAの藤田菜七子(22)が8日、中山競馬場で行われた「第12回カペラS」(G3)で、昨年の覇者で2番人気コパノキッキング(セン4=村山)に騎乗して優勝。日本人女性騎手として史上初のJRA重賞制覇を飾った。デビュー4年目、23度目の挑戦での悲願達成。歴史的1勝で、自身通算100勝に王手をかけた。 レース結果

 派手なガッツポーズはない。ただ、菜七子は心の底からじんわりと歓喜が湧き上がってきた。

 「“キッキング、ありがとう”という気持ちでした。この馬が一番強いと思って乗りました。追いだしてからも、しっかり一歩ずつ伸びてくれました」

 中央の重賞特有の激流にのみ込まれない絶妙な手綱さばきがさえた。スタートを決めて好位4番手を確保。4角手前から徐々に進出を始め、直線では抜群の手応えで抜け出した。外を伸びるシーンにスタンドはG1級の大歓声。キッキングにとって重量58キロを背負うのは初めてだったが、2着馬に2馬身半つける快勝だった。

 日本人女性騎手史上初のJRA重賞制覇という偉業を成し遂げた22歳。茨城県守谷市立けやき中学時代の剣道部の友人たちとは“割り勘”で遊びに行く仲だが、「競馬の話をするわけにもいかないし、みんなが何の話をしてるんだろうと思う時はあります」。サークル活動や恋愛など、楽しげに聞こえる学生生活の話は分からない。それでも「私は小学生の時からこの道を目指した。“可愛い”と言われるよりも“格好いい”と言われたい」。騎手としての道を追求してきた。

 尊敬する師匠・根本康広師の妻が今年8月に他界。師が菜七子の応援に地方競馬に行こうとすれば、「もう子供じゃないんだから」と自分を信頼してくれる人だった。ここまで自分一人だけの力で来たとは思っていない。「私の周りは本当にいい人ばかり。たくさん助けてもらっている」と、恩師の妻にささげる供養の白星ともなった。

 「いい結果を出せず、何度も悔しい思いもしてきた。でも、本当に素晴らしい馬に乗せていただいて、私も少しずつ成長できたのかなと思います」

 キッキングとの19年を振り返った菜七子。発走前に高ぶるキッキングのたてがみを不安げになで続けたフェブラリーSから約10カ月。この日、ゴール直後に相棒のたてがみをいとおしそうに数回なでる菜七子の表情はすっかり大人びていた。

 ≪11人が46回挑戦≫女性騎手はこれまで菜七子を含め11人がJRA重賞に46回挑戦。勝利したのは02年中山大障害(ギルデッドエージ)のR・ロケットのみ。平地重賞での最高着順は、菜七子が憧れとするL・オールプレスの15年新潟大賞典(ナカヤマナイト)の2着だった。

 ◆藤田 菜七子(ふじ た・ななこ)1997年(平9)8月9日生まれ、茨城県出身の22歳。根本 康広厩舎所属。16年3月にデビュー。通算2031戦99勝(8日現在)。今年10月の交流G2東京盃(コパノキッキング)で重賞初制覇。趣味は音楽鑑賞。特技は睡眠。目標の騎手はリサ・オールプレス。座右の銘は日進月歩。1メートル57、46キロ。血液型A。空手初段、剣道2段。18年に「第3回黒髪美人大賞」受賞。

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