【弥生賞】ドラフト絶妙!軽めでも圧巻「無理せず」1馬身先着

[ 2019年2月28日 05:30 ]

アンヴェイルド(奥)と併せ追い切るラストドラフト(撮影・郡司 修)
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 皐月賞トライアル「第56回弥生賞」(3月3日、中山、3着までに優先出走権)の追い切りが27日、東西トレセンで行われた。美浦では2戦無敗で京成杯を制したラストドラフトがポリトラックで躍動。桜花賞馬マルセリーナの子。母子クラシック制覇へ負けられない前哨戦だ。 弥生賞

 軽めでも圧巻の走りだった。ラストドラフトの最終追いはポリトラック。先行したアンヴェイルド(8歳1000万)を2秒近く後方から追走。コーナーで差を詰め、直線は外で併走。いっぱいに追うパートナーをあしらうように、馬なりのまま1馬身突き放した。「無理せず負荷をかけすぎないよう気分よく走らせた。油断するとビュッと加速してしまうが、今日は落ち着いて走れていた」。自ら手綱を取った戸田師は納得の表情で振り返った。

 1週前にWコースでしっかり負荷をかけ、レース直前は負担の軽いポリトラックで仕上げる。前走・京成杯と同じパターンを踏襲した。戸田師が理由を解説する。「ウッドでやるといい意味で馬がグンと変わる。気持ちも入ってパワーがみなぎる感じ。オーバーワークにならないようポリトラックと併用しながら調整してきた」。追い込む時は追い込み、抜くところはしっかり抜く。絶妙なさじ加減で仕上げた。

 初戦が5番手でじっくり構えての差し切り。2戦目の前走は一転、早めの仕掛けで4角で先頭に立ち楽々と押し切った。「わずか2戦のキャリアの中で脚質の幅を見せてくれたのは収穫」と師。かつて管理したフェノーメノを引き合いにドラフトの長所を語った。「フェノーメノは地力勝負型。その分器用さがなく、踏み遅れると厳しかった。ドラフトはまだ力ではかなわないが、器用な立ち回りができる」。後に天皇賞・春を連覇(13、14年)するフェノーメノも、キャリア4戦目で挑戦した弥生賞は6着。京成杯で既に舞台適性を示したドラフトなら、偉大な先輩馬を上回る成績も十分に期待できる。

 「調教だけで馬を進化させるのは難しい。一戦一戦が勉強」と師。前走、今回、その先の本番と同じ舞台を踏むことで学ぶ部分は大きい。「京成杯、弥生賞、皐月賞とお客さんも増えて場内の雰囲気も変わる。段階的に慣れていくのもいい経験では」と先を見据える。本番では無敗のライバルも待ち構える。王道から堂々と駒を進めるために。ここで負けてはいられない。

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2019年2月28日のニュース