【菊花賞】ヴェイズ、メジロの血が淀の長丁場で覚醒

[ 2018年10月17日 05:30 ]

グローリーヴェイズ
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 淀の3000メートルでうずくのはメジロの血潮か。牡馬3冠最終戦「第79回菊花賞」(21日、京都)に出走するグローリーヴェイズは母系にメジロライアン、メジロラモーヌといった馬名が並ぶオールドファンにはたまらない“メジロ血統”。86年メジロデュレン、90年メジロマックイーンが制した、なじみの淀で重厚な血が覚醒するか。管理する尾関知人師(46)も競馬ファンの頃からメジロの馬が好きだったという。運命に導かれ、混戦の3冠最終章をゲットするか。

 今、「メジロ」が来ている。東京競馬場内のJRA競馬博物館では「メジロ牧場の歴史」を開催中。6日には横山典がトークショーを行い、メジロへの熱い思いを語った。7日にはメジロドーベル最後の子ピンシェルが横山典を背にデビュー戦を迎え6着。多くのオールドファンが名門牧場に思いをはせた。

 さて菊花賞。長距離戦といえばメジロ。ここでメジロの血がよみがえる。ここまでの流れはその布石だ。グローリーヴェイズは母メジロツボネからメジロラモーヌ、メジロライアンへとさかのぼるコテコテのメジロ血統。尾関師自身、メジロへの思いは強い。「ファンの時代からメジロの馬が大好きだった。それが理由で大久保洋吉さんのところで働きたいという思いがあった」

 84年春・秋の中山大障害を制したメジロジュピター&メジロアンタレスに名牝メジロドーベル(97年桜花賞&オークス、98、99年エリザベス女王杯などG15勝)。大久保洋厩舎といえばメジロだった。尾関師は助手としてメジロの馬から学び、調教師として一本立ちした。メジロへの恩返しの気持ちは強い。「自分が働いた頃はG1を勝つような馬はいなかったが、メジロマントル(05年鳴尾記念1着)、メジロベイシンガー(05年新潟ジャンプS1着)がいた。凄く勉強になる経験だった」。師は懐かしむ。

 懐かしさだけではない。血統的な後押しがある。「母(メジロツボネ)は1200メートルで走っているが、その先は重厚な母系。ステイヤーな馬ではないが3歳同士の条件なら走れるんじゃないか」と師は期待する。メジロマックイーンがメジロライアン(3着)を下し、日本中が沸いた菊花賞から28年。もう白と緑の勝負服は存在しない。しかし、新たなステージに足を踏み入れた「メジロ」の風が淀に吹く。

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2018年10月17日のニュース