リルダヴァル “化け物”復活への手応え

[ 2010年5月14日 06:00 ]

NHKマイルC後に労をねぎらってキスするリルダヴァルと片山調教助手

 5月9日のNHKマイルC。勝ち馬と差のない時計でゴール板を走り抜けたリルダヴァルには、皐月賞後に特集をしたおかげで愛着もたっぷり。今回3着という結果について「頑張ってくれた!でも悔しい!」という複雑な思いを胸に抱いて、池江泰郎厩舎の片山調教助手へ再びインタビューさせていただきました!

-2週間ぶりのリル、一回り大きくなりましたね。

片山「実がはいった感じで、たった2週間でここまで変わるんだからリルの成長力には驚きました」

-NHKマイルC3着、この結果について率直な気持ちを教えてください。
片山「納得です。毎日杯では勝ち馬が馬なりでタイム差が0秒3、でも今回は勝ち馬が目一杯追って0秒4。それには意味の違いを感じます」

-力がついた証拠ですね。

片山「休ませることをしてこなかったのに、この成長力なんですから納得です。この1カ月、休ませることなく中2週、中2週と使ってきた。今回の激しいペースのレースでも、サンライズプリンスをかわして3着に入った。これを見て“リルは弱い”という人がいるんだったら、それは競馬を知らないと思う。それぐらいリルは頑張ってくれた」
-毎日杯から皐月賞までの中2週、そして皐月賞からNHKマイルCまでの中2週、同じ中2週でも片山さんの気持ちの余裕はやはり違いましたか?

片山「毎日杯から皐月賞までは、休み明けで走らせた2戦目でした。(ダービーに出るには)4着までに入ればいいんだという変な自信がありました。でも今回は気持ちに余裕がなかったです。もし2着以内に入っても、また中2週でダービーかと。そういったことを色々考えながらも、馬体への負担も考えて調整しないといけなかった。プレッシャーは今回の方が大きかったですね」

―このローテーションでよくあんなにも速いペースの中3着。リルの能力の高さを改めて認識しました!
 「本当につらい思いをしているはずのリルダヴァルの”自分は走るんだ!”という勇ましさが、私自身に凄い勇気をくれました。リルダヴァルの能力の凄さを心から誇りに思っています」

―最後にファンのみなさんへ一言お願いします。

片山「今後どんなローテーションになっていくかは読めませんが、秋まで順調に成長していけば、必ず化け物と呼ばれた頃のリルダヴァルが復活すると思っています。そうなるように、これから日々、リルと共に一歩一歩進んでいきたいと思ってます」

 レース後のリルはさすがに疲れた目をしていましたが、それも全力で走った証拠。片山さんが少しでも離れると不安になるようでさみしがっていました。疲れている分、片山さんにたっぷりと甘えるリル。そんなリルに何度も優しくキスする片山さん。そこにはコンビだけの素敵な空気が漂っていました。

 今回のレースを見て感じたことは「無事に完走することは明日に繋がる」ということ。勝てば次の夢へ。負けても、無事に完走をしてくれたなら、次への期待を持たせてくれます。リルはまさしく今後への期待を持たせてくれました。そんなリルに最後、感謝の言葉を伝えて締めたいと思います。「無事に完走してくれて本当にありがとう!いつまでもあなたが大好きです」(馬バカのウマドル 桜井聖良)

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2010年5月14日のニュース