開業7カ月半…久保勇師、出会いが生んだ初勝利

[ 2010年5月14日 06:00 ]

久保勇調教師

 【地方競馬です!!】出会いは必然というけれど、この出会いがなかったらこの勝利にはつながらなかった。

 12日の川崎競馬7Rで待望の初勝利を挙げた久保勇調教師(44)。昨年9月に開業してから7カ月半、39戦目での初勝利に「いや~長かった」と笑顔と積み重ねた思いが一気にあふれたが、騎手引退後すぐに「将来は調教師」と決めていたわけではなかった。
 「武井先生のもとで大きな経験ができたからこそ自分でもやろうと思った」。武井栄一厩舎で騎手、調教師補佐を経た久保師の背中を恩師の教えが後押しした。「武井先生は昔ながらの馬づくりを大切にしていて、馬の体のつくり方では日本随一」と話す。例えばワラで馬の皮膚を刺激して血行促進や疲労回復を促す“むだワラ”。今ではあまり見られなくなった伝統的手法を守りながら、川崎記念馬エスプリシーズなど強豪馬を送り出してきた。
 「武井流に自分なりのオプションをつけて飼料や、厩舎環境など工夫している。1頭の手入れに最低1時間(他厩舎では平均30分ぐらい)はかけるのもうちの特徴」。恩師の教えを胸に良いものは受け継ぎ、さらに自らの経験から得たものを付け足していく。「コツコツ勝って目標は年間100勝!」。ひとつの出会いが生んだ大きな目標の達成へ、初めの一歩が刻まれた。(秋田 麻由子)

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2010年5月14日のニュース