日テレ やっと調査開始 「セクシー田中さん」作者急死から3週間 外部有識者に「半沢」弁護士

[ 2024年2月27日 04:50 ]

「セクシー田中さん」第1巻 書影

 昨年10月期放送のドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題で揺れる日本テレビが26日、東京・汐留の同局で定例記者会見を行った。1月末に芦原さんが亡くなってから、定例会見は初めて。冒頭で石澤顕社長は「痛ましい結果。哀悼の意を表したいと思います」と追悼した。

 会見では、社内特別調査チームが23日に調査を開始したと発表。外部有識者には、2020年にTBS「半沢直樹」など原作があるドラマで法律監修を務めた元TBS社員の弁護士、国松崇氏が名を連ねた。

 石澤社長は「全ての原作者、脚本家、番組制作者の方々がより一層安心して制作に臨める態勢の構築を求めていく」と話した。ただ、第三者委員会ではなく社内の調査チームで、客観性を保てるのか疑問の声も上がった。この点について福田博之専務は「ドラマ制作に関する基本的な流れと今回の事案について当初からしっかり記録に残している」と理由を説明した。

 報道陣からは、訃報から3週間以上経過して調査チームが始動したことに「遅いのでは?」との指摘があった。石澤社長は「個人攻撃など、いろいろな形で情報が飛び交っていたため、情報発信を控えていた。少し落ち着くまで動きを控えていた。“遅すぎた”という批判については、そう考えていない」と話した。

 同局は、原作のドラマ化に当たって2次利用などを含む包括的な「原作契約書」を交わす一方、演出の詳細までは書面では取り決めないのが一般的だと説明。民放関係者は「細かい約束事を法的に定めると、創造性の幅が狭まり面白さが損なわれる可能性が高い」と話したが、「今回の件を受けて原作者側との取り決めを見直さなくてはならないのも事実」とした。

 芦原さんはSNSで「漫画に忠実に描く」などの条件がほごになっていたと投稿していた。一方、同局は芦原さんの死去後、公式サイトで「原作者のご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本」を放送したと説明。双方の主張に食い違いが見られる構図。福田専務は会見で「(原作者らと)コミュニケーション不足だったかどうかも調査されると思う」と指摘。どのようなやりとりがあったのか、調査チームの報告が待たれる。

 ≪旧ジャニ起用「検討段階」≫「SMILE―UP.」(旧ジャニーズ事務所)所属タレントの4月以降の番組への新規起用について福田専務は「検討段階に入った」と話した。ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、昨年11月時点では、被害者補償の進捗(しんちょく)や同局の申し入れへの対応が確認できるまで「新規のキャスティングはない」と述べていた。この日は被害者への適切な補償、再発防止策の実施、タレントへのマネジメント体制構築などについての対応が確認できているとし「11月と比較するとかなり状況は進んでいると判断」と話した。

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