【王将戦】藤井聡太王将 現在地は「森林限界」から「樹海」へ さらなる高みへ「さまよっている感じです」

[ 2024年2月7日 04:45 ]

検分に臨む藤井王将(撮影・藤山 由理、大城 有生希、会津 智海、光山 貴大)
Photo By スポニチ

 藤井聡太王将(21)=8冠=が菅井竜也八段(31)の挑戦を受ける第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第4局の対局場検分が6日、東京都立川市「オーベルジュ ときと」で行われた。その後、両者は前夜祭に出席。ここまで3勝0敗の藤井が4連勝して3連覇し、大山康晴15世名人を抜く単独1位、タイトル戦20連覇を果たすのか、菅井が7番勝負初勝利か。きょう7日午前9時、藤井の先手で対局が始まる。

 藤井は前日の大雪で東京駅からのタクシー移動が大幅に遅れた。午後4時の対局場検分は同14分開始。それでもタイトルホルダーらしく検分を主導し、当初の設定から照明を35%、室温は3度ほど落として20度とするよう要望した。

 「洗練された素晴らしい雰囲気で対局できるのが楽しみ。スコアを意識せず、2日間にわたる対局になるので、一手一手つくり上げていくような将棋にしたいです」。開幕3連勝で迎え、王将戦では2年ぶりのストレート獲得がかかる。王者は前夜祭で抱負を述べた。

 3期連続の王将戦立川対局。第71期は開幕4連勝で奪取し、前期は2勝1敗から敗れてタイに追い付かれた。

 第71期は5冠となり19歳6カ月の史上最年少王将をかなえた。その一夜明け会見で語ったのが、富士山を望む対局地にちなむ質問「富士登山に例えると何合目か?」への答え。「森林限界の手前くらい。上の方には行けてません」だった。

 森林限界とは、低温や水不足のため森林の生育が不可能となる限界を指し、標高3776メートルの富士山では5合目、2500メートル付近を指す。

 昨年10月、史上初の全8冠独占を果たし、では現在は何合目か?改めて問うと「樹海をさまよっている感じです」。当時から2年。富士山の樹海は標高920~1300メートルにあり、より競技の奥深さを知ったことで半減したということか。

 裏返せば全8冠を独占してもなお、認識した理想の棋士像までの道のりの長さ。新たなモチベーションを発見したとも受け取れる回答だった。現在地を再確認した藤井が3連覇へ向かう。
 

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2024年2月7日のニュース